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第455回「無党派層は政権交代までも安倍政権を脅かすか」 (2014/11/24)

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(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 自民党支持層まで納得がいかない解散総選挙。強力野党が存在せず自民1強であっても、安倍政権の2年間で自民党を離れて急速に拡大した純・無党派層の投票動向によっては、政権交代までも起き得ると見られます。無党派からの異議があれば、沖縄や滋賀など首長選挙で続いている与党敗北のように小選挙区すら万全ではありません。比例区についても朝日新聞と読売新聞の緊急世論調査では政党支持率に近い回答結果が得られていますが、実際の得票率は政権を持っている側に厳しい結果が最近の国政選挙で続いています。


 多くのメディアは政党支持の質問は1回きりですが、日経新聞は「支持政党なし」「いえない・わからない」と回答した人にさらに「どの政党に好意を持っていますか」と質問して「弱い支持」模様を引き出し、最初の「強い支持」に加算して政党支持率としています。上のグラフはその集計による支持率推移です。政権発足後、昨年10月の消費増税決定までは、非常に多くの無党派層を自民が取り込んでいました。昨年12月の安倍首相靖国神社参拝、この7月の集団的自衛権の閣議決定と反発を招く節目を追って、無党派層の自民離れ、純・無党派化が進みました。

 政権交代があった2012年12月総選挙、やはり自公で大勝した2013年7月の参院選の当時では無党派層は20%も無く、現在とは全く違う支持模様になっています。今では自民支持率37%に対して無党派層が45%の逆転状態が定着しました。この間、民主党支持率は6%前後と低迷を続けました。首長選での与党敗北は無党派層の自民離れと大膨張の基盤があって起きていると考えられます。強力野党がなく、野党の選挙協力も不十分である点で自民が有利との見方もありますが、政権を失った際の民主党の不人気ぶりを考えると「自民対民主」の構図にならない「自民対野党」の方が無党派層は動き易いでしょう。

 最近の国政選挙での政党支持率と実際の選挙結果の違いについては第372回「自民の超大勝を有権者は望んでいなかった:参院選」でグラフを掲げています。例えば昨年の参院選ではNHK世論調査で42%もの支持率を持つ自民が比例区で35%程度の得票しか得ていません。NHK調査は日経と違い政党支持で「強い支持」だけを集計していますから、投票になると本当の自民支持層まで目減りしていると示しています。今回の緊急世論調査で比例区の投票先を自民としたのは、朝日新聞で37%、読売新聞では41%でした。朝日調査によるとこの時期の解散総選挙に自民支持層ですら半分近くが反対としており、足元が危うい中で比例区投票をまとめきれるか不透明です。

 なぜ総選挙なのか、納得出来ない「もやもや感」が広がっています。衆参両院で圧倒的多数を握る与党です。数の論理で何でも押しきれるのに重要課題に果断を示すこと無く、ずっと続いてきた「決められない政治」を脱却できませんでした。それがここに来て少なくとも与党議席を減らすことが確実な解散に打って出る不思議です。来年になって総選挙をしたら負ける可能性が高まるから、準備出来ていない野党に先手を打って今後4年間の長期政権維持を確実にしたい――安倍首相の本音はそんな打算でしかないと透けて見えます。自民離れした純・無党派層が首相の勝手な思惑にどう反応するか、呆れ果てて投票率が大きく下がるのでなければ最終結果はまだ見えていないと言えます。

 原発再稼働などなし崩しにされてはならない問題も争点と認識すべきです。無党派層は若い世代や女性に多く、朝日調査で安倍政権の経済政策について無党派層では18%対46%で「失敗」が「成功」を上回っている認識ぶりも見逃せません。中間層以下の庶民に安倍政権の2年間は冷たく、富裕層や大企業優遇だったと言われても仕方ないでしょう。

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