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第548回「中国の鳥インフルエンザH7N9型流行が過去最大に」 (2017/02/17) 

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(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 2013年に中国で発生した鳥インフルエンザH7N9型のヒトへの流行が今シーズンは過去最大になっています。中国政府が15日に発表した第6週(2/6-2/12)の患者数が69例に達し、死者が8人でした。既に中国本土だけで370例を超える患者数であり、2013〜2014年シーズンの310例余を軽く上回りました。パンデミック、感染爆発の新型発生ポテンシャルを秘める中国だけに注目です。


 発表データをグラフにしました。今シーズンは週ごとの発生数が際立って大きく、2013〜2014年シーズンのピークが43例(2014年第4週)だったのに、年明け第1週に107例のピークを記録しました。1月の死者数が79人と発表されており、新たな8人を加えて何人になるのか不詳ですが、15日付のロイターによると国家衛生計画出産委員会は今シーズン累計死者数を100人としているようです。過去の1月の死者数は20〜31人だったので大幅に上回っています。

 鳥インフルエンザウイルスに大きな異変はなく、地域コミュニティの中で伝染していく力は獲得していないとされています。生きた鳥類からの感染が主なので、そうした鳥の市場に閉鎖が命じられました。しかし、上がっている症例報告の中には親子や同じ病院の入院患者同士の発生例があり、WHOでもヒト感染の可能性が否定できないと見ています。

 2013〜2014年シーズンについては同年3月の第414回「鳥インフルエンザ、終息せず散発発生を継続」で詳報しています。H7N9型は鳥にとっては高病原性ではなく感染しても死に至りませんから、生きた鳥は厄介です。鶏肉などを4度以下のチルド状態で流通させる方向が図られていたはずですが、実現していないようです。

 パンデミック、感染爆発に至る新型インフルエンザを生み出すのに中国南部は格好の条件を備えています。大量の豚と鳥と人間が一緒に住んでいる地域だからです。鳥インフルエンザの流行が散発的に起きていますが、今のところヒトとヒトの間で感染力があるウイルスは現れていません。ところが、豚は鳥インフルエンザウイルスとヒトインフルエンザウイルスのどちらにも感染でき、体内で遺伝子組み換えを起こして本格的なヒト・ヒト感染を起こせる新型インフルエンザを作り出す可能性があります。

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