[時評]米朝決裂に韓国ネット民は喝采、大統領府愕然

 米朝首脳会談の決裂に韓国ネット民の多くはむしろ喜んでいるように見え、南北協力一筋、捕らぬ狸の皮算用に走っていた大統領府だけが愕然として為す術を無くした様です。三・一節はとても辛い記念日になりそうです。文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領周辺は寧辺(ニョンビョン)核施設廃棄だけでとても大きな価値があると宣伝に努めていましたが、あろうことか北朝鮮金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長はこれだけで経済制裁の全面解除を求める大錯誤をしてトランプ大統領に拒否され、決裂に至ったようです。現実を見ないファンタジーの世界に生きているのは南北為政者に共通のようです。

 中央日報韓国語版の《ホワイトハウス 「北・米合意成し遂げられなかった」ハノイ会談決裂》に読者コメントがたくさん付いています。支持が多いものからいくつか引用します。

 《サンキュートランプ。よかった。やはりトランプ。左派の狂気ナンセンスを許していない。キム・ジョンウン、再核とミサイル実験をする。キム・ジョンウン斬首作戦が実行されることを願う》

 《今、北朝鮮の意図は明確になった。非核化協議するふりをして、実際には終戦宣言を狙い、ムン・ジェイン勢力と工作で韓国の共産化作業を推進しようとする。もう米朝会談無意味になった。米国は、北朝鮮に対する軍事攻撃を準備しなければ》

 《非核化なしに制裁緩和はない。あたり前のこと。(小出し譲歩の)サラミ戦術に巻き込まれなくて幸いだ。制裁強化しなければならない。ムントン(注:大統領のこと)は戦略的に前に出ず我慢しろ》

 先の第603回「中韓とも国家としてお金の回し方を間違えた」で指摘したように失業者が増え、韓国経済が傾いている中でも南北協力だけに血道をあげる現政権に不満が蓄積していました。

 朝鮮日報韓国語版の《大統領府、ハノイ核交渉決裂に困惑 「ちょっとの間にどのように」》は決裂直前の大統領府報道官発言として「今日の会談の結果に基づいて、南北間の対話の速度・深さが変わるが、しばらく休止期にあった南北対話が再び本格化するものと予想している」と伝えました。読者コメントは辛らつです。

 《現政権は米朝対話が決裂する可能性について準備しなかった。外交部と大統領府がいかに無能でアマチュアであることか》

 《国民誰もキム・ジョンウンが核放棄しないだろうと思っていた。ムン・ジェインだけがそれを信じて国民を欺瞞してきた》

 明日の三・一運動記念日を迎える文大統領の現状認識は中央日報日本語版《文大統領、TV出演し「独立英雄」紹介…「今、平和・統一が残っている」》で明らかです。

 《「三・一運動には木こり、視覚障害者も参加した。すべての人が1つの心で日帝に抵抗した」とし、「それから100年。我々は民主主義と経済発展を同時に成し遂げた。これからは平和が残っている。統一が残っている。完全な平和、共に良い暮らしをする国、新しい100年の主人公は国民」と強調した》