第628回「浙江と広東が新型肺炎患者千例超、邦人退避を」

 新型肺炎流行の中心、湖北省の患者が2万例を超えた6日、浙江省・広東省が同時に千例を突破しました。湖北は千例前後になって武漢市で始まった封鎖措置を全市に拡大しました。英仏に続き邦人に退避勧告すべきです。両省に続き、他の地方でも河南省が914例、湖南省772例と急激な増加を見せています。4日、中国本土に3万人の自国民がいる英国は退避するよう勧告し、1万7000人がいるフランスも地元当局による移動制限が広がっているとして中国から出るように呼びかけました。日本の場合は昨年末で12万人もが中国本土にいるとされ、移動手段がある間に行動しないと容易ならざる事態もあり得ます。  1006例になった浙江省、1018例の広東省に河南省の患者数推移をグラフにしました。第627回「中国各地で新型肺炎が急激増大、渡航禁止を」で報じた1月下旬には1週間で10倍増の猛烈な勢いでしたが、最近は6日間で2倍増くらいに減速しています。これは共同通信6日付《台湾、中国本土からの入境禁止 南京など34都市「封鎖」か》にあるように外出は2日に1回の買い物のみとか強い行動制限を掛けた結果でしょう。

 《6日付の台湾紙、自由時報によると、中国の浙江省杭州、河南省鄭州、江蘇省南京などが住民の移動を制限する「封鎖式管理」を実施すると発表。中国で少なくとも34都市で同様の措置が取られているという》

 NNA6日付《【中国】市民の移動規制、全国各地で次々》は次のように伝えました。

 《新型コロナウイルスによる感染拡大を防ぐため、全国各地に都市単位の移動規制が広がっている。4日夜までに江蘇省南京市や福建省福州市、黒竜江省ハルビン市などで村や集合住宅(社区)の境界を封鎖し、出入りを厳格に管理する措置が導入された。中国基金報(電子版)などが伝えた。4日から市内の境界封鎖が導入されたのは、このほか江蘇省徐州市、浙江省の杭州市、楽清市、寧波市、河南省鄭州市、山東省臨沂市など》

 ヒト-ヒト感染を抑えるには人間の接触を断つしかないとの判断です。湖北省に続いて新型流行が著しかった浙江省の温州市でも早期に封鎖措置が導入されました。「武漢でヒトからヒトへの感染が認められる」と公表した呼吸器疾病で有名な医師、鍾南山さんが2日、新華社とのインタビューで「流行は全国的にはならず、10〜14日でピークに達する」と答えています。流行の頂はまだまだ先にあるようです。