第640回「新型コロナへの社会防衛、第二波も半月で起動」
新型コロナ感染第二波は8月上旬にピークを過ぎて収束に向かっていると見られます。第一波では半月で頭打ちになったのに第二波は1カ月を要しましたが、各県ごとには半月で頭打ちの傾向は変わらず、全国に拡散したためにピークがずれて重なり合ったようです。地域社会防衛はやはり半月で起動したと考えられます。首都圏など大都市周辺の場合は県外からの影響が考えられ、一本調子で減らないケースもあります。第一波と第二波をまとめてグラフにしました。曜日による感染者数変動をならして観察する「7日移動平均手法」は4月の拙稿第633回「緊急事態宣言1週間で新型コロナは頂点、減少へ」で開発したもので、現在では内外で広く使われています。
国内新規感染者7日移動平均のピークは8/9に記録しました。7/9の300例超を本格的な立ち上がりとみれば1カ月です。NHKの《都道府県ごとの感染者数の推移》は最近では都道府県ごとの7日移動平均も表示してくれており、第一波のように半月でブレーキが掛かったとみられる例が多いです。第二波での全国頭打ちまでの期間長期化は、第一波よりも多くの県に波及した結果でしょう。神奈川のようにだらだらして下がりきらない不穏な県もありますが、多くの県で収束に向かっているので全体としての収束ペースも早いと思われます。
福岡と愛知は独自の緊急事態対応を訴えるほど危ぶまれた県ですが、現時点では収束の足取りが明らかです。いずれも7/21前後に感染が本格的に立ち上がり、8/5前後に患者発生が頭打ちになっています。県単位というコミュニティで見れば全国的な第一波で観察された半月での社会防衛パターンが健在と知れます。潜伏期間を考えると、当該地域社会で流行が顕著になると直ちに自発的な自粛が起きているようです。他人に迷惑を掛けない、思いやるマナーが浸透している日本人の特性、確固たるものです。政府の新型コロナ対応失格が世論調査で明確になっているのに、大衆レベルで大流行を自発的にブロックしてしまうのですから、日本政府は楽です。