第672回「医療者全員感染の覚悟、香港10倍感染爆発も」
【12/24追補:20日間で2.5億感染?】
中国での新型コロナ・オミクロン株大流行でロイター通信が流した22日付《上海の病院、年内に半数がコロナ感染と予測 中国各地で解熱剤配布》に驚かされました。冒頭部から少し長いながら引用します。中国検索サイト「百度」で入手可能な周辺情報をグーグル翻訳を使いながら集めると桁外れの感染爆発例が見え、今後が心配です。
《上海徳済医院は21日夜、対話アプリ「微信(ウィーチャット)」公式アカウントへの投稿文の中で、市内に約543万人の陽性者がおり、年内に1250万人が感染するとの推計値を示した。その上で「今年のクリスマスイブ、元日、春節(旧正月)は安全ではない運命にある」とし、「この悲惨な戦いで、大上海全体が陥落し、病院のスタッフ全員を感染させることになる!家族全員を感染させることになる!当院の患者も全員感染するだろう!私たちに選択肢はなく、逃げることもできない」と投稿した》
上海コ済医院は「青島大学上海臨床医院」との検索結果が出たので、単なる一般病院ではないようです。さらに同じ中国でも南北差があり、感染して症状がある患者の割合は寒い北部が温暖湿潤な南部よりはるかに高く、「中間にある上海の有症状患者の割合は北京と広州の間にある」とのことです。
経済オブザーバーの16日付《衝撃波をもたらす北京の医療資源》は13日の朝、北京の第3総合病院で「医療スタッフの最新の感染者数を集計したところ、400人を超え全医療スタッフの3分の1を占めた」とします。
「病院の慣例では、陽性の医師と看護師は7日間休みます。通常、7日後に病院に戻り、仕事に戻ります。まだ深刻であるか、まだ陰性になっていない場合、医師と看護師は病気休暇を求める必要があります。陽性でも症状が軽い人は通常通り出勤できるようになりました。強制ではなく、黙認するのが病院の原則です」
医療関係者の休暇は来春まで全面取り消しが各地で言われており、感染しても動員せざるを得なくなっています。 東アジア各国の過去1年間、人口100万人あたり、1週間の感染者数の推移グラフです。中国はゼロコロナ政策を放棄してから感染状況を把握するツールを作っていないので下がる一方ですが、比べたいのは最も多い香港の動きです。香港は中国産ワクチンとファイザー同等ワクチンがほぼ半々で接種され、海外ワクチン拒否の中国より条件は良いのに21日現在で「1週間の感染者14944」を記録、さらに騰勢です。日本は「8726」です。香港はこれまでの流行でそれなりの免疫が住民に出来ているはずなのに、感染処女地に近い中国はそれもありません。感染の実態は香港をはるかに上回って当然です。
現在の大都市での流行が、1月末の春節の帰郷、大移動を経て農村部での流行に移行するのは必至です。都市部でも集中治療室ベッド数が人口あたりで先進国の何分の1しかないのに、農村部はもっと貧弱です。
ホウハイニュース22日付《農村部の抗疫病のポイント、5人の医療責任者の話》が詳しく地方の実情を伝えています。例えば、寧夏固原市の町立保健所長によると10万人の地域を医師25人で支えており、7日以降で住民の3分の1がオミクロン株に感染し、医療スタッフの80%も感染、交代勤務時間を短くして負担を掛けないようにして乗り切る方針だそうです。10万人で2週間に33000の感染なら、人口100万人に対して1週間で「16万5000」と桁外れの感染爆発になり、香港の現状の10倍です。冒頭の上海の推計値も「14万」規模に相当します。
世界的な心配は感染が大量に繰り返されて新たな脅威になる変異株発生に繋がる点です。解熱剤を配布するくらいしか打つ手がない中国政府ですから、人口14億、感染規模の膨大さを考えると新変異株は必至です。
ロイターの22日付《中国の新型コロナ死者1日当たり5000人以上、英調査会社が試算》はこう伝えています。
《英国の医療関連調査会社エアフィニティーは、中国での新型コロナウイルスによる死者が1日当たり5000人以上との試算を示した》《エアフィニティーの死亡リスク分析によると、現在の流行局面で130万─210万人が死亡する可能性がある。他のモデルグループの分析でも210万人の死亡が予測されている。感染のピークは2回あると予想。現在感染者が増加している地域では1月中旬に370万人(1日当たり)、その他の地域で3月に同420万人がピークとの見方を示した》
【12/24追補】朝日新聞《コロナ感染、20日間で2.5億人? 中国政府、内部会議で推計》から
《中国疾病予防コントロールセンターは、20日まで20日間の累計感染者数が、総人口の約18%に相当する推計2億4800万人に達したとし、北京市と四川省では感染率が5割を超えたとした。天津市や湖北省、河南省など6省1市でも2〜5割の感染率だとした》
《上海徳済医院は21日夜、対話アプリ「微信(ウィーチャット)」公式アカウントへの投稿文の中で、市内に約543万人の陽性者がおり、年内に1250万人が感染するとの推計値を示した。その上で「今年のクリスマスイブ、元日、春節(旧正月)は安全ではない運命にある」とし、「この悲惨な戦いで、大上海全体が陥落し、病院のスタッフ全員を感染させることになる!家族全員を感染させることになる!当院の患者も全員感染するだろう!私たちに選択肢はなく、逃げることもできない」と投稿した》
上海コ済医院は「青島大学上海臨床医院」との検索結果が出たので、単なる一般病院ではないようです。さらに同じ中国でも南北差があり、感染して症状がある患者の割合は寒い北部が温暖湿潤な南部よりはるかに高く、「中間にある上海の有症状患者の割合は北京と広州の間にある」とのことです。
経済オブザーバーの16日付《衝撃波をもたらす北京の医療資源》は13日の朝、北京の第3総合病院で「医療スタッフの最新の感染者数を集計したところ、400人を超え全医療スタッフの3分の1を占めた」とします。
「病院の慣例では、陽性の医師と看護師は7日間休みます。通常、7日後に病院に戻り、仕事に戻ります。まだ深刻であるか、まだ陰性になっていない場合、医師と看護師は病気休暇を求める必要があります。陽性でも症状が軽い人は通常通り出勤できるようになりました。強制ではなく、黙認するのが病院の原則です」
医療関係者の休暇は来春まで全面取り消しが各地で言われており、感染しても動員せざるを得なくなっています。 東アジア各国の過去1年間、人口100万人あたり、1週間の感染者数の推移グラフです。中国はゼロコロナ政策を放棄してから感染状況を把握するツールを作っていないので下がる一方ですが、比べたいのは最も多い香港の動きです。香港は中国産ワクチンとファイザー同等ワクチンがほぼ半々で接種され、海外ワクチン拒否の中国より条件は良いのに21日現在で「1週間の感染者14944」を記録、さらに騰勢です。日本は「8726」です。香港はこれまでの流行でそれなりの免疫が住民に出来ているはずなのに、感染処女地に近い中国はそれもありません。感染の実態は香港をはるかに上回って当然です。
現在の大都市での流行が、1月末の春節の帰郷、大移動を経て農村部での流行に移行するのは必至です。都市部でも集中治療室ベッド数が人口あたりで先進国の何分の1しかないのに、農村部はもっと貧弱です。
ホウハイニュース22日付《農村部の抗疫病のポイント、5人の医療責任者の話》が詳しく地方の実情を伝えています。例えば、寧夏固原市の町立保健所長によると10万人の地域を医師25人で支えており、7日以降で住民の3分の1がオミクロン株に感染し、医療スタッフの80%も感染、交代勤務時間を短くして負担を掛けないようにして乗り切る方針だそうです。10万人で2週間に33000の感染なら、人口100万人に対して1週間で「16万5000」と桁外れの感染爆発になり、香港の現状の10倍です。冒頭の上海の推計値も「14万」規模に相当します。
世界的な心配は感染が大量に繰り返されて新たな脅威になる変異株発生に繋がる点です。解熱剤を配布するくらいしか打つ手がない中国政府ですから、人口14億、感染規模の膨大さを考えると新変異株は必至です。
ロイターの22日付《中国の新型コロナ死者1日当たり5000人以上、英調査会社が試算》はこう伝えています。
《英国の医療関連調査会社エアフィニティーは、中国での新型コロナウイルスによる死者が1日当たり5000人以上との試算を示した》《エアフィニティーの死亡リスク分析によると、現在の流行局面で130万─210万人が死亡する可能性がある。他のモデルグループの分析でも210万人の死亡が予測されている。感染のピークは2回あると予想。現在感染者が増加している地域では1月中旬に370万人(1日当たり)、その他の地域で3月に同420万人がピークとの見方を示した》
【12/24追補】朝日新聞《コロナ感染、20日間で2.5億人? 中国政府、内部会議で推計》から
《中国疾病予防コントロールセンターは、20日まで20日間の累計感染者数が、総人口の約18%に相当する推計2億4800万人に達したとし、北京市と四川省では感染率が5割を超えたとした。天津市や湖北省、河南省など6省1市でも2〜5割の感染率だとした》