団藤保晴の
「インターネットで読み解く!」

NHKには責任を取る文化は存在しない? [BM時評] (2008/06/04)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 3日の衆院総務委員会でインサイダー取引事件に関するNHK第三者委による調査結果が議論され、読売新聞「NHK会長、インサイダー問題で再調査行わない考え…衆院委」のように報道されています。調査に株取引を申告していながら詳細調査に非協力がはっきりした943人の存在など、一般人から見て納得しがたい結果ですが、福地会長は「報道局員と報道情報システムにアクセスできる職員らの株取引の原則禁止、それ以外の職員も6か月以内の短期売買の禁止という新たな対応策を説明。再調査については『今のところ考えていない』と述べるにとどまった」とのことです。

 第三者委と執行部の取り決めで調査で得られた氏名など細部はNHK執行部には引き渡されず、勤務時間中に株取引をした81人と、非協力が特に悪質な135人に第三者委経由で会長名の反省を促す手紙が送られて収束するようです。単なる手紙一枚であり、氏名を捕捉されていないのだから怖くも何ともないですね。先日の「NHK第三者委の報告書は悲惨で面白い [BM時評]」で「第三者委はインサイダー取引に止めず『国民の受信料で得られた報道情報を私的に利用するのは国民全体への背信行為だ』との立場を明確にしています」と紹介したのに、あまりに情けない終わり方です。

 報道記者のインサイダー取引事件として摘発された3人を懲戒免職にした以外は、実質的な処分は無しになります。前の会長は再任を拒否されていますが、これは責任を取ったことにはならないでしょう。チェック機能を果たさなかった経営委員会を含めて幹部を一新するしかないと思います。摘発当初よりももっと印象は悪くなっており、この問題を理由に受信料の支払い拒否を言い出されたときに、どう説得するつもりなのでしょう。責任を取ると言って辞任、半年もしたら別のポストで復活してしまうケースが企業の不祥事ではしばしば見られますが、最初から誰も責任を取らないのはもっと不思議です。

 普通の会社の常識に照らすと、順法規定の整備を怠った執行部、その尻を叩くべき立場にあった外部監査役の経営委、双方の責任は免れないと思えます。「新たな対応策」もメディア他社では何年も前から実施されていることです。他のマスメディアもこのまま放置して態度を鮮明にしないのなら同類とみなされるでしょう。



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