団藤保晴の
「インターネットで読み解く!」

五輪目前、北京の大気汚染改善に悲観的 [BM時評] (2008/07/26)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 昨年の今ごろ、「中国の酸性雨拡大にみる越境汚染の怖さ [ブログ時評82]」を書いたときから心配していた北京五輪の大気汚染状況です。もう開催目前、どうなっているのか。科学技術振興機構(JST)北京事務所長のブログ「変わっていない!車の数も大気汚染も」が報告してくれています。

 7月25日の「昼間の北京の視界は確実に500メートル以下でした。例によって雲はなく、太陽は空に白く見えており、肉眼で日食観測ができる状況でした。空の状態は天津市上空あたりからずっと同じだったので、天津と河北省に囲まれている北京市だけでは、北京市(岩手県より少し広く四国より少し狭いくらいの面積がある)だけで大気汚染対策をやってもムリだ、ということが、飛行機の上から見てよくわかりました」

 「今のところ大気汚染の劇的な改善は見られていないのは事実です。もしかすると、このような状況のままオリンピック期間に突入するのかもしれません。私は何回も『さすがに、本番のオリンピックになれば、きれいな青空になると思う』と書いてきましたが、自信がなくなってしまいました。既に車の規制は実施され、汚染を出す工場は停止され、建物の建設・解体工事は中断状態にする、など打つべき手は打っているからです。はっきり言って、今日の北京の空気の状態では、マラソンはちょっとムリだと思いました」

 これはかなりの重症ですね。五輪参加各国が心配するのも当然です。ウオールストリートジャーナル紙が、米国選手団が秘密の高性能マスクを用意しており開会式で着用するようなら、開催国中国の面子がなくなると伝えた「Olympic Athletes Wearing Masks Could Cause China to Lose Face」が各国メディアに引用され、ネット上でも話題になっています。

 米国の秘密マスクはどんなものか画像は見られませんが、中日新聞の「会場の大気大丈夫? 五輪選手の1割ぜんそく」には、日本選手団に用意されている防塵マスクの写真がありました。「使い捨て式防じんマスク ハイラック355型」のようです。10枚で4千円足らずの値段です。今年初めから洗い出してみると、五輪選手に潜在的なぜん息持ちが予想外に多かったために用意したようで、泥縄式です。またも米国に水をあけられている印象です。男子マラソン世界最高記録保持者のハイレ・ゲブレシラシエ選手(エチオピア)がぜん息の心配から欠場を決めたのは賢明な決断だったと見えてきました。



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