団藤保晴の
「インターネットで読み解く!」

GMの年内破綻、秒読みが始まった [BM時評] (2008/11/23)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 経営危機にある米自動車最大手GMの取締役が、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を検討し始めたと22日、伝えられました。GM、フォード、クライスラーのビッグ3がそろって政府による巨額融資と再建支援を強く求めてきたのですが、何兆円も巨費を投入しても再建できるか不透明な現状から米国議会は二の足を踏んでいます。12月2日に具体的な再建策を議会に提出し、認められれば支援が受けられますが、この大不況下、米国民からビッグ3の大型車が見捨てられ、代わる小型車技術を持たないのですから、無理と考えるのが自然でしょう。「GMの破綻は年内にもあり得る情勢に [BM時評]」で先に論じた通りです。

 米国政府が金融機関に対しては巨額の資本注入が出来るのは、銀行業というビジネスモデル自体はなお健全だからです。景気が回復すれば相応に利益をあげ、注入したお金に利子を付けて国に戻せる見通しがあります。売れる小型車が無いビッグ3の自動車ビジネスモデルは根底から崩壊しています。BusinessWeek誌の「GM、破産せずに再生なるか?」は通常の破産法適用では、つなぎ融資が難しくなる問題があると指摘します。その上で、「そこにこそ政府が支援できる余地がある。政府の資金提供による、破産法の適用下でのGMの大々的な再生が必要になる」との見方を伝えています。

 先日の朝日新聞のインタビューで今年のノーベル賞経済学者、ポール・クルーグマンは今の異常事態下では「正しいこと」が普段とは逆になっていると主張していました。GMを生き長らえさせることは通常はあり得ないのだが、この経済危機の最中に米国の自動車産業が退場してしまうのは痛手が大きすぎるとの指摘でした。裾野まで広げれば数百万人が生活している産業です。

 ブログの世界では「アメリカ式の終焉」がクールな論評をしています。「自家用ジェット機で借金を頼みに来るのだから、このようなときは何が必要なのかが分かっていないのですよ」「アメリカ式経営もアメリカ式金融もアメリカ式生産も、すべてのアメリカ方式の終焉がアメリカの象徴であるビッグ3の終焉ということだと思います」「この経営者の人たちには、それがわかっていないのだから、この経営者の手で再建は無理だと思います。一旦破産して違う人の手で再建するしかないでしょう」

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