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第172回「離婚減少は定着、熟年離婚の嵐吹かず」 (2009/01/25)

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(「BM時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 新年になって発表された「平成20年人口動態統計の年間推計」はあまり話題にもならなかったようです。でも、少し事情を知っていれば注目ものだったのです。それは離婚件数と、人口千人当たりの離婚件数=離婚率が2002年をピークに2008年も下がり続け、離婚減少傾向がしっかり定着したからです。年金分割法が2007年と2008年の4月に二段階で施行され、夫の厚生年金の受給権が妻にも分割されるようになりました。これを待って離婚したいと考えている女性が多数いて、2008年には「熟年離婚の嵐」が吹き荒れるとする専門家が多くいらっしゃいましたが、何も起きずに2008年は過ぎました。

 それどころか、1月22日に発表の「人口動態統計速報(平成20年11月分)」を見れば、大不況入りがはっきりした11月は前年を大きく下回る離婚件数になっています。該当のグラフを以下に引用します。赤い折れ線が2008年です。


 実は離婚動向と景気とが相関しているとの見方がありました。「図録▽離婚件数の推移と景気との相関」のグラフに示されているように、1980年頃から離婚が増えれば景気が少し遅れて悪化し、離婚が減れば景気が上昇する傾向が観察されたといいます。しかし、2003年以降の離婚減少局面ではこの相関も失われました。「2004年〜06年は離婚件数が景気回復の程度以上に傾向線との関係で大きく減少しているのが目立っている。これは、『離婚時の厚生年金の分割制度』の導入を見越して離婚を手控えているのではないかと考えられる」と説明されていたのですが、上述のように事実が否定しました。

 離婚減少がはっきりしてきた2005年に「離婚の減少はサッカーW杯から始まった [ブログ時評26]」という仮説を、月別の離婚件数動向をベースにして書いています。「今回の離婚の減少はサッカーW杯から始まり、『冬のソナタ』でブレークした韓流ドラマブームで本格化し、北朝鮮拉致被害者と家族の帰国などによって増幅されている」――証明不能であることは承知の上です。しかし、2002年以降の有り様を見れば、日本の家族に内在する何かが変わったと考えるしかないのです。

 「第3表人口動態総覧(率)の国際比較」を以下に引用します。


 日本の離婚率が「2」を切って「1.99」になったのはニュースだと思います。かつて一時は米国の「3.6」に向かって増え続けると考えられていたのに――です。韓国の「2.5」とは大きな差になってしまいました。

【続編】3/25に第175回「続・離婚減少は定着、熟年離婚の嵐吹かず」リリース。2003年からの経済状況好転にシンクロして減少をグラフ化。

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