核燃再処理工場に安全思想の設計無し!! [BM時評] (2009/02/28)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 国内の『官製』原子力事業はいかに技術水準が低いか、「既視感ばりばり、もんじゅ低技術の恐怖 [BM時評]」などで指摘してきました。今度、明らかになった六ケ所再処理工場の高レベル放射性廃液漏れトラブルの原因は、さらに愕然とさせるものでした。最悪の放射性物質を扱う核燃再処理工場にフェールセーフ思想が欠如していたのです。この工場は起きうる事象の系統的な解析をしないで、非常に恣意的に、つまり超・楽観的に設計された「非常識施設」と申し上げてよいでしょう。

 東奥日報の「廃液漏れ 人的要因の可能性高い」を読んで目がくらむ思いがしました。漏れた廃液タンクへの圧縮空気の流入は、作業員が空気調節弁に誤って触れたために起きたとされました。床から70センチの高さにあり、軽く触れても弁は動く状態でした。「再発防止のため原燃は今後、数万個に上るとされる工場内の弁の中で同じように作業員が触れやすいものを抽出し、カバーを掛けるなどの対策を講じる」とあります。これが当初の完成予定時期1997年から10年余りも経過して採用する緊急対策とは、民間企業の研究者なら笑い転げる、悪いジョークです。「自縄自縛の悪連鎖、六ケ所再処理工場 [BM時評]」もご一読下さい。

 フェールセーフ思想なしに作られた核関連施設にはどんな落とし穴が潜んでいるのか、予測不可能です。「2月25日、保安院に高レベル廃液漏洩事故への抗議のアピール行動」などブログの大衆が懸念するのは当然のことです。

 読売新聞の「組織改善計画策定へ」は今回の人為的ミスを受けて、日本原燃の児島伊佐美社長は「組織的な問題点の根本原因を分析するアクションプラン(行動計画)を4月末までに策定する方針を明らかにした」と伝えました。「社員の意識改革の一環として、再処理工場の運転や保守に携わる社員を、日本航空とJR東日本の整備工場に派遣する社員研修を始める方針も明らかにした」とも言うのですが、明らかに方針が間違っています。問題は社員意識ではなくて、設計の安全思想欠如にあるのです。

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