団藤保晴の
「インターネットで読み解く!」

弾頭無しで北朝鮮ミサイル?!―言葉は大事に [BM時評] (2009/04/05)

(「BM時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 北朝鮮が政府発表によれば「飛翔体」を発射し、日本列島の上空を越えていきました。明日の新聞紙面がどうなるのかは知りませんが、国内メディアは「ミサイル」派と「飛翔体」派に分裂しました。正午過ぎにウェブで収集した限りでは、主なメディアは以下の見出しでした。(確認してもらうために別画面で「切り抜き」を用意しました。臨時・特別扱いとし1カ月くらいしたら削除します)

■朝日新聞 北朝鮮がミサイル発射 11時32分政府発表「飛翔体」
■毎日新聞 北朝鮮ミサイル:11時半ごろ発射 落下物迎撃せず
■読売新聞 北朝鮮、東に飛翔体1発発射
■日経新聞 北朝鮮、飛翔体発射のもよう 政府発表
■産経新聞 【北ミサイル発射】日本政府、「飛翔体」発射を確認
■共同通信 北朝鮮、ミサイル発射 東北上空を通過、迎撃措置とらず
■時事通信 北朝鮮がミサイル発射=日本上空を通過―破壊措置は取らず―政府、国民に発表へ
■朝鮮日報 韓国政府も「長距離ロケット発射」確認
■CNN  北朝鮮、飛翔体発射 日本上空を通過

 午後になって確認すると、読売新聞は「ミサイル」派に転向、日経新聞は「飛翔体」を維持しています。読売新聞によると、北朝鮮は「衛星打ち上げ成功」と報道、「軌道傾斜角は40・6度で、近地点490キロ・メートル、遠地点1426キロ・メートルの楕円軌道。周期104分12秒で地球の周りを回って」将軍様の歌を送信しているそうです。こうなると、弾頭を積んでいなかったことは確実です。

 きつい言い方をすればミサイル見出しは誤報です。本文中でどう補足してあろうと、見出しだけ見て次の記事に移る読者が多数いるのですから、見出しはそれ自体で完結していなければなりません。先端の衛星を弾頭に替えればミサイルになると抗弁するのなら、種子島から打ち上げているロケットはすべてミサイルになります。事前報道で伝える側の認識を「ミサイル」と書くことで反映させるのは構いませんが、事実として起きていることを伝える段階になっても主観的な表現を続けていてはマスメディア失格です。

 CNN米国は「ロケット発射」を使い始めています。事実認識としてはロケットが一番妥当だったようです。私が運営する「Japan Blogs Net」【保守・右】は《「飛翔体」とはなにごとか》というオールド・ジャーナリストの意見も収集していますが、とても賛同できません。政治・軍事・衛星科学方面からのブログ発言が次々に集まっていますので、ご覧下さい。

 「Japan Blogs Net」から毛色が変わっているものを一つだけ。メディア・パブの《「北朝鮮のミサイル発射」のニュースを、Twitterでリアルタイム追跡してみた》です。起きているニュース関連の情報をTwitterでつかまえるのは、先日の「『ハドソンの奇跡』に見る米ネットの活性 [BM時評] 」でもあった話です。米国と違って日本語のTwitterは今回、活発ではなかったそうです。

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