団藤保晴の
「インターネットで読み解く!」

国会図書館の蔵書デジタル化、あまりな時代錯誤 [BM時評] (2009/08/07)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 日経新聞の朝刊で「国会図書館の本、有料ネット配信 400万冊対象、11年にも」を見て、「ブック検索著作権問題、Google期限まで半月 [BM時評] 」で紹介したようにグーグル・ブック検索に押しまくられた国内勢も反転、攻勢に出るのかと思いました。ところが、調べると、とんでもない時代錯誤をしていらっしゃるのです。これは頭が痛い!!

 日経の記事には、こうあります。「国立国会図書館は、日本文芸家協会、日本書籍出版協会と共同で、デジタル化した同図書館の蔵書をインターネットで有料配信するサービスを始める。両協会が著者など権利者に許可を取り、個人がネット上で同図書館の蔵書を読めるようにする」「9月に同図書館と両協会が中心となり協議会を設立する。10年3月までに利用者から著作権料をいくら徴収するかなど詳細を詰めたうえで、11年春には利用者から集めた著作権料を作家などに分配する社団法人か財団法人を発足させる」

 やるではないか、と思われるでしょうが、デジタル化の中身がグーグルとは違い過ぎるのです。「グーグル和解問題を国会図書館の動きから考える(2)」(ダイヤモンド・オンライン)はこう説明します。「国会図書館のデジタル化データは、現段階では全て画像となっています。『本』のページをスキャンしたイメージが画像データとして保存されている、ということです。もちろん、『本』のタイトルや著者名、発行年月日といった情報は別途デジタルデータ化され、画像データと関連付けて保存されています」「蔵書をカードで検索し、『本』の現物またはマイクロフィルムで中身を見る、というアナログ時代の利用方法をそのままデジタル環境に持ち込んだものです」

 一方、グーグルは画像データと一緒に、書籍の中身のテキストデータも作りだしていますから、当然ながら検索が出来ます。任意の言葉で検索が出来るかどうかで、使い勝手も存在意義もまるで違ってしまいます。麻生内閣の何でも金を付ける大型補正予算で百億円以上のお金が付いたので、デジタル化が一気に進むことになりました。しかし、これは大きな禍根を残す政策決定であると思います。予算を執行する前に中止すべきです。

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