ベルリンフィルに耐えるPC用1万円オーディオ [AV特集] (2009/08/23)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 相変わらず暑さは続いていますし、政権交代へ世論はヒートアップ中ですが、今回は世間のアツサからちょっと離れます。AV特集として、この夏、暑さ凌ぎにお酒の量を減らすことも狙って導入したパソコン用1万円オーディオを、話題にしたいと思います。ベルリン・フィルの「デジタル・コンサート・ホール」年間会員になって、これまでモバイル環境だからと大甘に見ていたパソコンの音質を吟味した結果、耐え難くなったのです。何万円も投入すれば本格的なシステムが買えることは知っていますが、実売価格2万円前後のヘッドフォンや安価なイヤフォンで聴いているのに3万、4万、5万と投じるのは不釣り合いで居心地が悪く、予算1万円と決めました。

 「デジタル・コンサート・ホール」については、昨年の「ベルリン・フィル定期演奏会がネット中継に」で紹介しました。コンサート1回分ずつを買うことも出来ますが、2万円弱を払って年間会員になると過去1年間の定期演奏会アーカイブが何時でも自由に聴けるし、これから1年間、新たなコンサートが生中継でもアーカイブでも楽しめます。音質と画質は本当に最高級です。USBバスパワー駆動のドライブで聴く、新しいコンサートDVDより音が良いと感じます。アーカイブには無料サンプルが多数あるので視聴してください。

 比較的音質が良かった自宅のデスクトップパソコンに比べて、持ち歩くノートパソコンでの再生音は酷く、オーケストラ音楽の多彩な持ち味を出せていないことは明らかでした。ボーカル、ジャズなどは結構、楽しんで聴いていたのですが、「こんなものでしょう」という意識があって、音を吟味するような聴き方はしていなかったと思えます。


 「パソコン用1万円オーディオ」は「AMERICAN AUDIO ( アメリカンオーディオ ) / AUDIO GENIE PRO」と中国製の「Fiio E5 [ポータブル・ヘッドフォンアンプ]」に、USBケーブルとオーディオケーブルで出来上がりました。写真にあるように「AUDIO GENIE PRO」自体にもヘッドフォン端子はありますが、音楽を聴くにはやや硬い音です。響きの柔らかさや豊かさは「Fiio E5」をLINE OUT端子からつながないと出てきません。20年来、オーディオチェック用に使っている有名なソース「Cantate Domino」で確認しました。ピュアオーディオの領域に入っている音です。

 自宅のヘッドフォンは、独ゼンハイザーHD595を主力に、日本スタックスSR-001MK2、米グラドSR60で聴いています。持ち歩くのはイヤフォンで、AKGのK12PやゼンハイザーのMX400とMX500です。コンデンサー型SR-001MK2はアンプ付きですからLINE OUT端子に直結です。どの機種も個性が生かされて、とても楽しめます。いささか驚かされたのがイヤフォン達です。3000円ほどで買った機種なのに、ベルリンフィルの高音から低音まで充実した音を入力してやると、値段が信じられないほどの再生をします。音源が貧しいモバイル環境では力を発揮できていなかったんですね。

 デジタル・コンサート・ホール自体も興味が尽きません。カメラワークが緻密で、各パートの演奏を細かく追ってくれます。ハイビジョンなので遠景のままでも、奏者のしていることはよく判ります。これまで音楽だけ聴いていて、どうやってこんな音を出すのか疑問に思っていた謎がいくつも解けました。

 なお、写真のFiio E5が4センチ角ですから大きさが判ると思います。AUDIO GENIE PROの電源はUSBバスパワーで、ノートパソコンといっしょに鞄に収まります。30時間くらいは慣らし運転しないと本来の音になりませんから、試される方はご注意下さい。

 【追補】続報……「続・ベルリンフィルに耐えるPC用オーディオ」「ベルリンフィルに耐えるPC用オーディオ新春版」
 またベルリンフィルの定期演奏会に日本語版曲目リストが出来ていました。

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