衆院選ブログ観測(3)300議席報道で揺れ戻し [BM時評]
総選挙の投票日が明後日に迫って、ブログ界の観測レポート第3回をお送りします。選定したキーワードごとの1日ブログ記事数を毎日、観測しています。これまでの「衆院選ブログ観測(1)責任力失速、政権交代機運 [BM時評]」と「衆院選ブログ観測(2)民主へ流れ、揺らがず [BM時評] 」とは違い、自民党が巻き返したり、諸政党へシフトする変調が現れました。20日付の朝日新聞「民主、300議席うかがう勢い 自民苦戦、半減か」から始まり、翌日に320議席に迫ると伝えた読売新聞と日経新聞、さらに民主党が320議席を超す勢いとした毎日新聞など、民主大勝予測報道に反応したと考えられます。
まずキーワードに「民主党」と「自民党」を含む記事数グラフを見て下さい。18日の公示で盛り上がった後、一時下がりますが、投票日が迫ると公示日以上に伸びて、28日に民主党は1日13000件を超え、自民党は8000件に迫りました。ところが、「民主党/自民党」の比をとったグラフに変化が生じました。 「民主党/自民党」比は最初の「1.3」台から順調に伸び続けて21日に「2.01」の最高値を示しました。その後、急に「1.65」前後まで落ち込んでしまいました。総選挙の主役の座が自民党から民主党にどんどん移っていく様を表していました。しかし、一般に想定された以上の圧勝予測が報道され、それも参院の法案否決を覆せる衆院3分の2、320議席を単独で押さえる模様となると話が違ってきたのでしょう。「今度だけは民主党に入れてみよう」と考える自民支持者に揺れ戻しが起きて不思議ではありません。一方、都市部に多い無党派層は投票直前に態度を決めるケースが多く、この層は民主党への流れをあまり変えないと思います。二つの流れがどうせめぎ合うか、都市部と地方で影響に差が出るでしょう。 民主と自民両党以外の諸政党は上のグラフのように動いています。公明党と共産党で1日に千数百件、社民党、国民新党、みんなの党で数百件のブログ記事数ですが、序盤情勢調査報道があってから、いずれも上向いています。民主党の独走をチェックできる存在への期待でしょう。ただ絶対的な数の大きさは比較になりません。議席に大きくは効かないはずです。
最後に「政権交代」と「責任力」のグラフです。勝敗の帰趨が見えて「政権交代」はますます論じられて1日4000件を超えましたが、「責任力」は100件台とまるで相手にされていません。どこかのコピーライターに頼んで作らせたような非日常造語を掲げて総選挙を戦おうとした発想が異常なのです。2005年郵政総選挙の約束をどう果たしたのか――自民党が政権党である以上は、有権者はそこから説明して欲しかったのですが……。 【追補】28日の読売新聞「自民・民主、当落線上の攻防激化…読売情勢調査」は接戦・注目区で序盤と比べた終盤の情勢を調べ「自民党は59の接戦区のうち、7割で支持を上向かせている。接戦区は序盤より10選挙区増えており、その大半が追い上げたケースだ。今回、初めて当落線上で優位に立った選挙区も複数ある」と伝えました。
まずキーワードに「民主党」と「自民党」を含む記事数グラフを見て下さい。18日の公示で盛り上がった後、一時下がりますが、投票日が迫ると公示日以上に伸びて、28日に民主党は1日13000件を超え、自民党は8000件に迫りました。ところが、「民主党/自民党」の比をとったグラフに変化が生じました。 「民主党/自民党」比は最初の「1.3」台から順調に伸び続けて21日に「2.01」の最高値を示しました。その後、急に「1.65」前後まで落ち込んでしまいました。総選挙の主役の座が自民党から民主党にどんどん移っていく様を表していました。しかし、一般に想定された以上の圧勝予測が報道され、それも参院の法案否決を覆せる衆院3分の2、320議席を単独で押さえる模様となると話が違ってきたのでしょう。「今度だけは民主党に入れてみよう」と考える自民支持者に揺れ戻しが起きて不思議ではありません。一方、都市部に多い無党派層は投票直前に態度を決めるケースが多く、この層は民主党への流れをあまり変えないと思います。二つの流れがどうせめぎ合うか、都市部と地方で影響に差が出るでしょう。 民主と自民両党以外の諸政党は上のグラフのように動いています。公明党と共産党で1日に千数百件、社民党、国民新党、みんなの党で数百件のブログ記事数ですが、序盤情勢調査報道があってから、いずれも上向いています。民主党の独走をチェックできる存在への期待でしょう。ただ絶対的な数の大きさは比較になりません。議席に大きくは効かないはずです。
最後に「政権交代」と「責任力」のグラフです。勝敗の帰趨が見えて「政権交代」はますます論じられて1日4000件を超えましたが、「責任力」は100件台とまるで相手にされていません。どこかのコピーライターに頼んで作らせたような非日常造語を掲げて総選挙を戦おうとした発想が異常なのです。2005年郵政総選挙の約束をどう果たしたのか――自民党が政権党である以上は、有権者はそこから説明して欲しかったのですが……。 【追補】28日の読売新聞「自民・民主、当落線上の攻防激化…読売情勢調査」は接戦・注目区で序盤と比べた終盤の情勢を調べ「自民党は59の接戦区のうち、7割で支持を上向かせている。接戦区は序盤より10選挙区増えており、その大半が追い上げたケースだ。今回、初めて当落線上で優位に立った選挙区も複数ある」と伝えました。