報道されぬ自民総裁選、ブログの注目まだあり [BM時評]

 野党に転落しての自民総裁選が18日から始まりました。総裁選が実質的に首相を選んでいた与党時代と懸け離れて、マスメディアの報道は立候補届け出までで、ぱったりと止まった感じがあります。政権交代がなり、安定した巨大与党の前の野党党首選びなどどうでもよいという理屈は分かりますが、健全な二大政党制を維持するには自民党の再建が欠かせないはずです。あるいは、自民に代わる強力な野党です。新聞はまだしもテレビの冷たさは極端です。

 首相指名選挙や鳩山内閣組閣を含む過去1週間でみて、注目キーワードを含むブログ記事数をグーグル・ブログ検索で調べました。「民主党」63,995件に対し「自民党」21,934件と3倍の差が生じています。「衆院選ブログ観測(4)4年前が政権交代の伏線 [BM時評]」で伝えているように、衆院選の期間に1.3倍程度だった「民主/自民」比率が2倍に上昇し、政権交代の結果、3倍にもなってしまいました。一方、「総裁選」は7,379件で、これを意外に大きな数字です。この華々しい1週間で「鳩山首相」のブログ記事が9,126件であることを考えると、ブログ界の総裁選への関心はなおあると思います。

 「Japan Blogs Net」をウオッチされている方は、立候補している河野太郎氏が「衆議院議員 河野太郎発行メルマガ「ごまめの歯ぎしり」ブログ版」で全国遊説の模様を連日、書いていることはご存じでしょう。それ以上に凄いのが、遊説に同行して、1日にブログエントリーを10本もあげている参院議員《山本一太の「気分はいつも直滑降」》です。山本ブログは以前にも「自民政権最後の内紛は当事者ブログ生中継 [BM時評]」でも同時中継ぶりに注目しました。今回は河野陣営「専属ブロガー」と称して盛り上げに懸命です。野党の悲哀はあちこちに現れます。

 ついでに「Japan Blogs Net」でウオッチしているブログ記事で、最近、おやっと思ったのが、今回総選挙で落選してしまった「弁護士早川忠孝の一念発起・日々新たなり」「小泉さんに物申す」です。「私は、当時の小泉・竹中路線が間違っていたとは、今でも思っていない」「しかし、小泉氏が中途半端で政権を投げ出してしまったことに、怒りを覚え始めた」というのが結論です。2005総選挙では「若い政治家の心を揺さぶり、行動に突き動かす力が小泉氏の言葉にはあった」「その小泉氏が、実は私たちを裏切ってしまった」――持って行き場がない怒りが切実です。