青森・福井の核燃サイトで初歩的ミス連発 [BM時評] (2009/10/25)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 初歩的ミスの中には重大事態発生時での対応能力を疑わせるケースが含まれます。今週、青森と福井の核燃料サイクル開発サイトで連発されたミスは、危機管理の視点から見れば「失敗しました。ごめんなさい」では済まないものだと考えられます。いずれも、よほど根本的な態勢整備をするのでなければ「来年からの運転はお止めなさい」です。

 まず、六ケ所再処理工場で22日に高レベル放射性廃液を流す配管から約20ミリリットルの液体の漏れがありました。東奥日報の「人為ミス3たび/六ケ所配管液漏れ」は「作業員の不注意で遠隔操作機具の一部が配管に接触したのが原因だった。今年1、2月に発生した同配管からの漏えいも作業員の思いこみなどが原因で、人為的ミスが同じ個所で三たび繰り返された」と伝えました。漏れた液体は高レベル放射性廃液の濃度の半分ですが、原子力安全・保安院は「漏れた中身が何であろうと、高レベル廃液が通る配管が閉じ込め機能を失ったことは問題だ」と言っています。

 漏れた場所は、配管の円筒にドーナツ型の円盤を付けた「フランジ」を向かい合わせて締め付け、管を密閉している所です(参考:ウィキペディア「フランジ」)。遠隔操作中に誤って触れたために液漏れを起こしたとの説明ですから、フランジを締め付けて密閉することなく漫然と作業をしていたことになります。高レベル放射性廃液は厚いコンクリートで密閉された再処理工場内でも漏れれば手を焼く厄介者です。現に今回の遠隔作業も前回廃液漏れの後始末に当たる洗浄作業をしようと準備していたものです。「核燃再処理工場に安全思想の設計無し!! [BM時評]」で「フェールセーフ思想なしに作られている」と指摘しましたが、運用面でも初歩的安全確保すらなかったのでした。

 福井の高速増殖原型炉「もんじゅ」では、23日にまた電源関係のトラブルでナトリウム漏れ監視できずです。朝日新聞の「> 原子炉ナトリウム漏れ 一時監視できない状態 もんじゅ」は「ナトリウム測定用の気体を取り込んで検出器に送るサンプリングポンプの仮設電源を入れたところ、このポンプと一緒に、別の2種類の検出器についているサンプリングポンプの電源も切れ、ナトリウム漏れが監視できなくなった。仮設電源から本来の電源に戻し、55分後に復旧させた」と報じました。

 今月始めの「高速増殖炉もんじゅの危うさ、早速また誤警報」でも点検作業中に電源を切ったら、別の検出装置の電源も切れてしまったトラブルを取り上げています。日本原子力研究開発機構は配線を洗いざらい調べ直した方がよいと思えます。原発内の配線は本当に複雑で、運転する側の「つもり」と違う配線になっているようなら有事には悲惨です。前回も今回も、なぜか電源が切れてしまう――のでは危なくて見ていられません。

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