もんじゅ報道、マスコミまで旧動燃品質! [BM時評] (2010/05/15)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 11日にお伝えした「もんじゅ驚愕の運転再開、制御棒の操作知らず」の真相がようやく明らかになってきました。やはり運転員に対して旧動燃品質の「ずさん訓練」しかできていなかったのです。そして、今回の報道ぶりはマスコミまで旧動燃品質と申し上げるしかなく、ポイントを外しまくっています。

 高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)には「もんじゅシミュレータ(MARS)」が設置されていて「中央制御室及びプラント全般をフルスコープで模擬しており、マンマシンシステムとしての評価・検証、十分な臨場感をもった運転訓練、種々のプラント挙動の検証等を行うことができる」と誇らしげにうたっています。

 ところが、朝日新聞の「もんじゅ操作ミス 『継承』課題置き去り」は制御棒の操作失敗について「記者会見した原子力機構は、運転員が未熟だったことと、操作方法をまとめた試験要領書に長押しの操作が不記載だったことが原因と説明した。運転員らが使っていたシミュレーターは、微調整棒の速度変化が再現されてなかった」と明記しています。これが「十分な臨場感をもった運転訓練」の実態です。

 原子力発電所のシミュレーターで制御棒の操作を忠実に再現しないモノが実在していることこそ、驚愕の大ニュースです。この模擬装置でどんなに訓練しようが、制御棒の動きすら完全に模擬していない以上、訓練の価値はありません。シミュレーターは現実に起きる事象をすべて尽くそうと必死になって作るモノです。運転操作の根幹である制御棒操作が実機と同じに出来ないなら、異常時に秒を争って原子炉を止めることが経験できないではありませんか。朝日の「ナトリウム漏れ事故から続く、長期の運転停止。実地の操作経験がない運転員が8割を占め、現場の技術やノウハウの継承が以前から課題とされていた」とは手ぬるすぎて話になりません。

 読売新聞「『もんじゅ』再開1週間、トラブル連鎖…長期停止の〈ツケ〉」のピンぼけぶりも劣悪です。識者コメントとして「福井大国際原子力工学研究所の望月弘保教授は『停止期間が長かっただけに、世代を超えた技術継承がうまくいかなかった面はあるだろう。動かしていく中で経験を蓄積していくしかない』という」とは、絶対に安全な運転を求めている国民を愚弄しています。運転しながら訓練していく――何と噴飯物の発言――直ちに運転を停止して、安全な運転が出来るまで準備をし直せ、シミュレーターを作り直せと求めるのが筋です。

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