食・健康教育・社会政治・経済人口・歴史 Blog vs. Media 時評
文化スポーツ環境・資源科学・技術医学・医療 ウェブ通

第261回「在京メディアは東京の年間限度線量超過も無視」 (2011/05/28)

【スマートフォン版はこちら】
(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 ほとんどの在京メディアが騒がないので共産党の貴重な提言「東京都内各地の空中放射線量測定結果について」を見落とすところでした。放射線障害防止法など国内法で決まっている一般人の年間被ばく限度線量1mSvを、東京23区の東半分では超える恐れがあるとの指摘で、特に資料Bの放射線量分布マップは必見です。

 ずっと前から東大の「環境放射線情報」で、本郷(3)地点の線量が0.12μSv/hを維持しているのが気になっていました。これが年間被ばく限度線量1mSvに相当するからです。共産党が都内各地で組織的に測定した結果が上のマップになっていて、本郷は境界線付近にあり、特異点ではなかった訳です。これは真剣に詳細な測定をすべきです。1mSvを超える地域ではそれなりの自衛策を考えるべきですし、人口密度が大きい都内に高線量ホットスポットでもあると困ります。

 毎日新聞都内版の《東日本大震災:共産党都議団、放射線量公表 葛飾・水元公園が最高 /東京》を読んで唖然としました。「都は、都健康安全研究センター(新宿区百人町)の地上約18メートル地点にあるモニタリングポストで24時間放射線量を測定し、公表している。24日の平均値は毎時0・0623マイクロシーベルトだった。都の担当者は『高さによって線量に差があるのは把握しているが、それでも現在の数値は健康に影響があるものではない。ただ、安心のために今後地域ごとの測定を進めるかを検討している』とした」

 最後の談話にもありますが、共産党がしている地上1メートルでの測定がスタンダードです。地上18メートルなんて、故意に低く見せるための露骨な操作です。こんな「大本営発表」記事を、遠く福島ばかりでなく、自分の足下、東京についてまで臆面もなく書き続けているとは社会にとってもはや害毒です。「在京メディアの真底堕落と熊取6人組への脚光」の「そもそもこうした体質の在京メディアにジャーナリズムを名乗る資格があるのか疑われます」を改めて投げかけましょう。

 【追補@】他の全国紙の扱いを知人に調べてもらったら、朝日新聞も都内版のベタ記事で《「放射線量の計測地点 知事に増設申し入れ」共産党都議団》。「共産党都議団は25日、大気の放射線量の計測地点を都内各地に増やすよう、石原慎太郎都知事に申し入れた。同都議団が独自に今月6日から25日、都内全域約130カ所で放射線量の測定をしたところ、都が公表している新宿区の都健康安全研究センターで測定した値より高い地域が多かったという」「都健康安全課の担当者は『現在観測されている都内の放射線量は健康に影響のない数値だ。ただ、地域による違いはあるだろうと考えているので、対応を検討している』と話している」。
 一方、読売新聞には記事が見あたらないそうです。

 【追補A】東京の自然放射線レベルはかなり低いことを前提にして書いておきましたが、仕事から帰ってきたので資料を補足します。共産党の測定マップが以下です。



 これに対して、日本地質学会の「日本の自然放射線量」から都内付近を取り出したのが以下です。



 東京東部の自然放射線量は0.036〜0.054μSv/hの水色ゾーンに入っています。上のマップにある葛飾区0.391、足立区0.257、江東区0.186、江戸川区0.18などは大きく上回っています。超過分が問題であり、葛飾区付近はもう一段低い自然放射線ゾーンかも知れません。

 【参照】「年間1mSvは法定の限度線量:遵法感覚はどうした」

このエントリーを含むはてなブックマーク   ※関係の分野別入り口・・・《食・健康》 《教育・社会》  《環境・資源》


【リンクはご自由ですが、記事内容の無断での転載はご遠慮下さい】
※ご意見、ご感想や要望はメールフォームで。

【INDEXへ】
無料メールマガジン登録受付中