安全委を外して原発の新安全基準了承は論外 [BM時評] (2012/04/06)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 大飯原発の再稼働をめぐり5日夜の閣僚会議で「原発の新安全基準 おおむね了承」(NHK)と伝えられています。経済産業省の原子力安全・保安院が用意した案を了承、文言は詰めるというもので、現行法で原子力安全の総元締めになっている原子力安全委が全く外されています。大事故を防げなかった保安院お手盛りの基準に説得力はありません。安全委の目さえ通っていないとは、論外です。

 《案では、▽福島第一原発を襲ったような地震や津波が来ても、全電源喪失という事態の進展を防ぐ対策が取られていること、▽ストレステストの一次評価を終えていること、さらに▽ストレステストで一層の取り組みを求められたことなどについて、電力会社が実施計画を示していること、の3つの基準を示しました。これについて、野田総理大臣と関係閣僚が協議した結果、新たな安全基準は、おおむね了承されました》

 後は国民に理解しやすい文章にするのが問題で、6日に改めて安全基準を確認するといいます。そんな表現上の問題などどうでもよいことです。原子力安全委はどこに消えてしまったのですか。

 「原子力の安全確保と原子力安全委員会の役割」はこう述べています。「原子力安全委員会の最大の責務は原子力安全確保の基本的考え方を示すことです。このため、安全審査にあたっての安全性判断の基礎として、多くの安全審査指針等を策定してきています」「原子力安全委員会は、行政庁による安全規制が原子力安全委員会の示した基本的な考え方を踏まえて適切に行われていることを確認し、さらに安全規制や事業者自身による安全確保における新たな課題に適確に対応するための調査審議を行っています」

 問題は2点あって、@今回の福島原発事故を踏まえた「基本的考え方」を安全委が整理できていないA安全委が行政庁側が適切な対応をしているか確認していない――です。@の本格安全基準が難しいなら暫定基準を考えるしかありません。しかし、暫定基準の作成から安全委が外され、行政庁の対応をチェックすることすらしないとは、現行法の枠組みを完全にないがしろにするものです。マスメディアは「大本営発表」のごとく平然と伝えて済ませるのですか。

 【参照】「無謀・大飯原発再稼働へ4つの駄目」

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