超高汚染魚が出現:網羅性欠く東電調査に問題 [BM時評] (2012/08/22)

(「BM時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 福島原発事故が起きてから最大の超高汚染魚が現れました。「セシウム:アイナメから2.5万ベクレル 福島第1沖」(毎日新聞)などが一斉に伝えています。淡水魚にはキログラム当たり1万ベクレルを超えるケースはありましたが、海の魚として桁違いです。これまで東電が公表してきた調査を遡れば、原発周辺ほど高汚染という予断で出来た調査体制であり、網羅性を欠いています。河川の汚染が原因で、高汚染魚が原発から離れた沿岸に広く分布している恐れがあります。

 報道では「アイナメは福島県南相馬市の太田川沖合1キロ付近で2匹を採取。放射性セシウムはそれぞれ、1キロ当たり3万8000ベクレルと9300ベクレルで、両方合わせると同2万5800ベクレルとなった」「7月18日から8月1日に魚介類を採取し、放射性物質による影響を調べた。国が定める一般食品の基準値(1キロあたり100ベクレル)を超えたのはクロソイなど10種類に上った」となっています。3月の「放射能海洋流出は止まず:自分に甘い東電に任すな」で紹介しているように、アイナメの汚染は最高3000ベクレル程度でした。


 上の地図に追加記入したように、太田川は原発20キロ圏ぎりぎりで太平洋に注いでいます。原資料は東電が3月30日に発表した「福島第一原子力発電所 20km 圏内海底土中放射性物質濃度(セシウム)移行調査結果図」で、原発近くに目が行って太田川周辺まではよく調べられていません。

 地元の「放射能測定センター・南相馬 とどけ鳥」が太田川から2つ北の真野川を調べた「南相馬市5つの川の放射能マップ完成!!真野川編」があります。上流の真野ダムの土手土壌からセシウムキロ当たり5万ベクレル超が検出されるなど、川の汚染は高レベルです。太田川も上流に横川ダムを持っていて、福島原発事故で放出されたセシウムがダムの流域から集まり、海に流れ出ている恐れがあります。

 NHKのニュースによると、東電は「これまで海底の土から検出された1キログラム当たり25ベクレル前後と比較すると高いので、いわゆるホットスポットにいた餌を食べたと考えられる。来週から9月末まで、毎週、今回と同じ沖合1キロを中心に2キロ四方でアイナメと、餌になるエビやゴカイ、それに海底土を採取して原因を調べたい」としています。これでは真野川など他の川の沖に高汚染魚がいても見つかりません。調べるなら沿岸部を網羅して取り組むべきです。原因が河川汚染なのか、原発本体からの流出によるかの判別は非常に重要です。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー

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