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第315回「橋下維新八策と永田町・政治部独善の崩壊」 (2012/09/02)

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(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会が国政進出で打ち出すマニフェスト「維新八策」の最終案が公表されました。この全文がネットで読める場所が日経新聞電子版にしかない点が、既に示唆的です。自民党を霞ませてしまう、この最終案は橋下ファンから待望されていたはずと考えていましたが、ツイッターでは批判的な意見が多いと見ました。しかし、より衝撃的だったのは橋下氏が相変わらず大阪市長のままでいて、東京には出ないと宣言した事実です。永田町の政治家とマスメディア政治部は東京中心=永田町完結政治へ回帰を待望していたのに、それは当分無くなりました。

 みんなの党の渡辺代表と会談した後、マスコミが観測記事を流していた橋下氏の国政進出はあっさり否定されました。橋下氏のツイート(8月29日)にこうあります。《渡辺さんとの会談で、僕が「国政に出る」、「市長を辞職するときのセリフももう考えた」と言い、ナンバー2にあろうことか中川議員を置き、しかも松井知事も国政に出て、大阪でまたダブル選をやると言ったのこと。ここまでの嘘は週刊誌でもあり得ない》

 ツイッターの動向が見られる「buzztter」で「維新八策」を検索すると、最終案発表後のツイートピークは44件と平凡な数字ながら、だらだらと関連発言が続いています。「駄目な自民党と民主党に代わる政党になって、世直しをして欲しい」との応援組に対して、「よく読むとかなり怖い維新八策」「新自由主義のオンパレード」「格差を改善すると『政権交代』を叫んだ民主党に騙された人々が、今度は維新の会に騙される」など批判的なツイートの方が多い印象です。

 ブログを検索しても同じ傾向です。「常夏島日記」の「橋下氏の維新八策に日銀改革が含まれない理由」は「橋下氏は、中曽根康弘―橋本龍太郎―小泉純一郎とつながる『戦後政治の総決算』路線の嫡子として認められつつあるということであり、その路線を担った人間集団の中核的な人材の少なくとも一部が橋下氏のブレーンとして参画しているのでしょう」と断じます。有名ブロガーでは「2015年の春ごろに日本消沈」(極東ブログ)が「最終案の全文が出たので読んでみたのだが、正直、皆目意味がわからなかった」「新味はなく、政権交代時の民主党のような威勢の良さだけで押すなら、現在の民主党のように躓き、政治の第三極とはならないだろう」と指摘します。ただ、それでも相当数のサイレントマジョリティは維新に付いていくと見るべきです。

 まだ国会議員5人の政党要件を満たしていない「党」のマニフェストと議員集めが全国紙各紙で大きく報じられ、日経がその全文を読めるようにするとは異例すぎます。民主党による政権交代を旧態依然「政治とカネ」追及スタイルでつつき壊し、得るべき果実は何も残せなかったメディア政治部。その結果出来る総選挙での「真空地帯」に維新が進出します。連立政権の一角に納まる可能性があるからこその過剰報道ですが、民主党と決定的に違うのは、橋下氏を永田町の政治家と政治部が囲い込めていない点です。維新八策の中身よりも、それをテコにした議員選別よりも不安にさせている要因は「東京の常識」が通じないギャップでしょう。東京都の石原知事がいかに乱暴な発言をしても永田町の飛び地での「乱」に過ぎませんが、橋下政治手法への土地勘は狂いっぱなしです。

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