第339回「夫婦3組に1組は離婚時代定着。米国は2に1」
人口動態の2012年推計が発表されて東日本大震災で生まれた離婚率の特異な減少が2年連続で維持されました。最近の推移を離婚対婚姻の比グラフでみると、夫婦3組に1組は離婚する時代が定着したとも言えます。米国では2組に1組の離婚がずっと続いていますから、日本の離婚はやがて米国並みに増えるとの予測は当たらなかったことになります。しかし、1980年代では5組に1組の離婚だったのですから離婚夫婦が珍しくなくなったのは当然です。
厚生労働省の2012年推計によると、離婚は237000件(2011年235719件)、人口千人当たり離婚率1.88(同1.87)でした。婚姻率も5.3(同5.2)と、ほとんど横這いです。 昨年の「離婚率が特異な減少、震災で家庭防衛意識か」の際には1995年の阪神淡路大震災と比べていませんでしたから、上のグラフを作ってみました。東日本大震災の影響を知ってから見ると、1990年から急増していた離婚率が1995〜96年と鈍り、踊り場状態になっていたと知れます。大津波や福島原発事故による家族崩壊の危機はありませんでしたから、阪神大震災が離婚に及ぼした影響は限られていたのでしょう。
日本の状況が世界と比べてどうなっているかは、「図録▽主要国の離婚率推移(1947年〜)」を参照してください。これでもロシアや韓国のように急増や激減を見せる国と比べればなだらかな変動です。このページに収録されている米国の離婚対婚姻の比グラフは、1975年頃から「0.5」前後で推移しています。比較できる日本のグラフを作りました。 分母に婚姻が入っているので離婚・婚姻件数両者の変動が効いてきます。興味深いのは東日本大震災の減少が、婚姻も減ったため目立たず、むしろ2008年リーマンショックの影響がくっきりしています。阪神大震災による「伸び停滞」がもっと明解です。リーマンショックでも阪神大震災でも婚姻件数は落ちていなかったと推測されます。東日本大震災では婚姻も減った点が特異だったようです。
このグラフを見る限り離婚対婚姻の比は「0.35」あたりに収束し、夫婦3組に1組離婚時代と言えそうです。第175回「続・離婚減少は定着、熟年離婚の嵐吹かず」に掲載のグラフで紹介しているように、近年の離婚率は失業率とリンクする傾向があります。歪んだ円高が是正されれば景気が上向いて失業率が下がり、離婚率ももう少し落ちるかも知れません。
厚生労働省の2012年推計によると、離婚は237000件(2011年235719件)、人口千人当たり離婚率1.88(同1.87)でした。婚姻率も5.3(同5.2)と、ほとんど横這いです。 昨年の「離婚率が特異な減少、震災で家庭防衛意識か」の際には1995年の阪神淡路大震災と比べていませんでしたから、上のグラフを作ってみました。東日本大震災の影響を知ってから見ると、1990年から急増していた離婚率が1995〜96年と鈍り、踊り場状態になっていたと知れます。大津波や福島原発事故による家族崩壊の危機はありませんでしたから、阪神大震災が離婚に及ぼした影響は限られていたのでしょう。
日本の状況が世界と比べてどうなっているかは、「図録▽主要国の離婚率推移(1947年〜)」を参照してください。これでもロシアや韓国のように急増や激減を見せる国と比べればなだらかな変動です。このページに収録されている米国の離婚対婚姻の比グラフは、1975年頃から「0.5」前後で推移しています。比較できる日本のグラフを作りました。 分母に婚姻が入っているので離婚・婚姻件数両者の変動が効いてきます。興味深いのは東日本大震災の減少が、婚姻も減ったため目立たず、むしろ2008年リーマンショックの影響がくっきりしています。阪神大震災による「伸び停滞」がもっと明解です。リーマンショックでも阪神大震災でも婚姻件数は落ちていなかったと推測されます。東日本大震災では婚姻も減った点が特異だったようです。
このグラフを見る限り離婚対婚姻の比は「0.35」あたりに収束し、夫婦3組に1組離婚時代と言えそうです。第175回「続・離婚減少は定着、熟年離婚の嵐吹かず」に掲載のグラフで紹介しているように、近年の離婚率は失業率とリンクする傾向があります。歪んだ円高が是正されれば景気が上向いて失業率が下がり、離婚率ももう少し落ちるかも知れません。