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第382回「無管理同然、汚染水漏れ疑惑タンクが一気に拡大」 (2013/09/19)

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(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 台風による雨水がタンクエリアの堰を越える事態になったおかげで、東電がしてきた管理は無かったも同然と判明、汚染水漏れ疑惑が一気に拡大しました。どんなに強弁してもコントロール下にあるとは認められません。読売新聞の《汚染水、1年8か月間流出の可能性…東電発表》が気になって、発表資料を探した結果、16日付け「福島第一原子力発電所各タンクエリア堰内溜まり水の全ベータ放射能分析結果(簡易測定)について」に行き着きました。主なタンクエリアの測定結果図を引用します。


 読売記事では「この計4区画のせき内の雨水には、ストロンチウムなどの放射性物質が1リットル当たり17万〜2400ベクレル含まれ、国の放出基準値(同30ベクレル)を大幅に上回っていた」とあります。しかし、実際には4区画以外にも放出できない30ベクレルを超す区画だらけで、430、200、160、140、110ベクレルが並んでいます。この図にある12区画で溜まり水に問題が無いのは3区画だけです。

 今回の漏洩騒ぎが表面化するまで、東電は漏洩の有無をタンク液量の変動だけでチェックしていたと説明しています。放射能レベルをタンクごとに一々測定するのをサボっていたわけです。それでいて区画を囲む高さ30センチの堰の排水弁は開きっぱなしにしていました。雨が降るたびに漏れた高レベル汚染水は洗い流されていたと考えられます。漏洩騒ぎで排水弁が止められ、台風の大雨で堰が越される事態になって各区画の放射能が測られたのです。

 台風が通過した16日の排水路測定データが「福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果 (南放水口・排水路)」で発表されています。タンクエリアの下流部は320ベクレルなどと高いですし、排水路が外洋に出る直前の地点は130ベクレルと国の放出基準を完全に超えています。

 溜まり水のレベルが低かった区画も問題が無かったとは断定できません。漏洩が少量で多くの雨水で薄まった可能性があります。全部のタンクを真剣に測定し直すべきです。第380回「五輪国際公約した以上、汚染水の安全な移転を」で提言したように、愚劣な管理しか出来ていない現在のタンクエリアを引き払うのが正解だと考えます。原子炉建屋などの地下水問題に全力を注ぐべきなのに足を引っ張られています。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー

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