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働く高齢者増加はやはり若者の職を奪っている [BM時評] (2014/02/18)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 日経新聞朝刊トップ《高齢者が働く人の1割に 636万人、世界に先行》が気になって、元になっている労働力調査速報を見直しました。年齢別就業率の推移から、やはり若者の職を奪っていると言わざるを得ません。「日本が高齢者雇用で世界に先行していることを裏づけた」と前向きにうたっていますが、高齢者の視点ばかりでは困ります。若者層への影響には65歳以上の高齢者以外に、60〜64歳の層が過去10年で8.2ポイントも就業率を上げた点も見逃せません。最も割を食っている15〜24歳の男性と並べてグラフにしたのでご覧ください。


 2008年のリーマン・ショックで15〜24歳男性の就業率が目減りしたのに、60〜64歳と65〜69歳の層は影響を受けず、就業率を伸ばし続けました。60歳定年制での再雇用が中心でしょうから給与は大幅に減っているはずです。それが職業経験がない若者の新規雇用を阻んだと考えられます。過去10年間で65〜69歳は5.2ポイント、70〜74歳でも2.2ポイントも就業率を増えました。これに対して15〜24歳男性は1.2ポイント、25〜34歳男性は0.6ポイントそれぞれ減らしています。

 就業者と完全失業者を合わせた労働力人口の対人口比率が、65歳以上の高齢者で20.5%ある点も「人口減少下で日本経済が成長するには、海外に比べて遅れている女性の活用に加え、高齢者雇用をさらに促すことが必要になる」と手放しで歓迎できるか疑問です。欧州諸国ではこの数字は1桁が当たり前です。高齢になってまで働きたくないけれど、やむを得ず働く層が相当多数いると考えられるからです。

 【参照】インターネットで読み解く!
     第403回「暗雲続くアジアの若者層、失業率は高止まり」
     第368回「生涯未婚率は男35%、女27%にも:少子化対策無力」

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