第412回「中国重篤スモッグの巨大さが分かる衛星写真」

 2月下旬、丸6日も北京など中国主要都市を覆った重篤スモッグの衛星写真が中国網日本語版に掲載されたので、引用して紹介します。それぞれ9百キロずつ離れた北京・南京・西安3都市間を丸呑みにした巨大さが分かります。25日NASAによる撮影で、上空の雲は白く見えており、ねずみ色がスモッグです。  オリジナルの「アジア上空を覆う濃霧 NASAが撮影」には地名が無いので、北京など3都市をプロットしました。日本の東京と博多の間も中国3都市間と同じく約900キロですから、スモッグ領域の広大さが理解できます。北京から北東に黒竜江省あたりまで伸びていますし、南はこの写真からはみ出ている重慶や成都の空も覆いました。23日の観測データとしてスモッグの領域は全部で143万平方キロと日本の陸地の4倍、特に重篤な部分が81万平方キロと伝えられました。

 微粒子PM2.5が大気1立方メートル当たり250マイクログラム以上が最上位汚染ランク「厳重汚染」になっています。20日正午に黄色警報が出て以来、PM2.5濃度は尻上がりの傾向を見せ、21日にオレンジ警報に格上げされたにもかかわらず、この写真の25日には北京は500マイクログラム前後の桁外れ汚染になっていました。結局、26日夕に北風が吹き出して今回の大気汚染は終息しました。『緊急措置効かぬ怪物スモッグが中国政府を打ちのめす』から入って全貌をご覧になってください。

 【参照】「『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない」
     第439回「中国の大気汚染、改善遅く改革に絶望的閉鎖性」(2014/07/24)