第567回「希望・立憲のツイート高揚は早くも収束、弱含み」

 前原民進党代表の希望の党への合流表明以来、何か大きな政治情勢転換が予感された2週間。希望と立憲民主へのツイート集中が起きたのですが、公示日に至って泡沫のように収まってしまい、期待外れに終わったようです。フォロワー数が自民党を上回ってトップになったと騒がれた立憲民主党も実際にツイートされた数はさほどに伸びません。希望へのツイート大膨張も民進合流表明と希望の候補者選別による立憲民主結党に至る騒ぎの反映でしか無かったようです。YAHOO!リアルタイムの「ツイート数の推移」から読み取った1日毎の数字をグラフ化して掲げます。  希望の党のツイート数が9月28日、衆院解散の日に75000ほどのピークに達し、10月5日、6日にも7万を超えている点が目立ちます。「希望の党」だけは「希望」で検索すると無関係なツイートを大量に拾うため党名で検索しています。実際のツイート数はもう少し多い可能性があります。二つのキーワードで検索の「希望+立憲民主」の結果は「希望の党+立憲民主」よりも1割以上は多いようです。「希望+立憲民主」と「希望+自民」の動向と合わせてみると10月5日、6日の盛り上がりが選挙公約の発表に加え立憲民主結党があったと言えます。もちろん最初のピークは民進合流表明が起こしています。

 フォロワー数が自民党の12万を遥かに超える17万以上になった立憲民主党です。しかし、10月5日の44000余りをピークに下がる傾向です。希望の党との絡みでも話題性が無くなっているようです。大事な公示日に至って自民党は5万に近いレベルを維持しているのに、希望と立憲民主は3万前後に落ちました。自前で注目を集める力が弱いと見るべきです。

 ネット上の注目度が選挙結果に結びついた例が2008年の米大統領選でした。第167回「ブログ記事数グラフで見る米大統領選」に民主党オバマ候補と共和党マケイン候補へのブログでの言及数を毎日集計したグラフを載せています。言及には好意的でないケースももちろんあるものの、話題になっているのは強いと思います。「オバマ候補側は全体に盛り上がっていくのに対し、マケイン候補側は山が小さくなって全体に萎えていく様相です。直近のピークはオバマ18000件に対し、マケインは10000件そこそこです。このグラフからでも勝負はついた印象です」と書いています。なお、当時のテクノラティ社の検索システムはその後、ブログ数が膨張しすぎて崩壊しました。

 野党側は安倍首相を政権から引きずり下ろしたい今回の総選挙です。2009年の政権交代選挙では投票率が69%まで上昇、民主党が比例区で4割以上の票を取りました。しかし、期待を持って出動した層は民主党の政権運営に失望し、その後の総選挙から消えてしまったように見えます。第534回「低い投票率続きでは自公政権を揺さぶれない」にその動きをまとめています。希望の党が消えてしまった層の期待を担えるか、かなり疑問です。内閣支持率が逆転・再逆転とブレ続けている点からは自民支持層が割れる可能性があるかもしれません。選挙情勢調査が出始めてから検討してみたいと思います。