第596回「モバイル音楽アプリが劇的進化、皆なぜ知らない」
モバイルで聞く音楽は聞き流す程度と思われていませんか。実は優れたアプリが続出し、JBLなど伝説的なオーディオサウンドで手持ちの楽曲が聴き比べ可能になりました。大多数の方が気付かないとは勿体無さすぎです。個性的で優れたアプリを無料で提供しているのは日、米、独のオーディオメーカーであり、各社製品の特徴を連想させる音を出します。スピーカとかオーディオ機器を取り替えるのは大変なのに、モバイルでアプリを変更するだけで各社のサウンドが楽しめるワクワク感、かつて想像もできなかった時代に入りました。
写真は試聴に使ったレノボのタブレット新旧2種とソニーのノイズキャンセルヘッドフォン「MDR-100ABN」です。ブルートゥース無線接続で使いました。紹介するアプリは独ゼンハイザー「CapTune」、米ハーマンカードン「JBL Music」、日本のテクニクス「Technics Music App」、どれも無料でアンドロイドでもiOSでも提供されています。ソニーなど他のオーディオメーカーからも出ていますが、色々と聴いた結果、この3種を特に推奨したいと思います。
タブレットで音楽を聞くようになって6年、アマゾンで楽曲を買い、あとで聞く都合から深く考えずにアマゾンの音楽プレーヤを使ってきました。アマゾンアカウントが無い知人には操作が似ている「Pi音楽プレーヤ」を紹介していました。グーグルストアでのダウンロード数がアマゾンは1億以上、Piは1000万以上と人気です。最近、ネットで「CapTuneが良い」との情報を見つけ、ダウンロード数を見ると10万以上とマイナーもいいところ。しかし、その音をソニーのヘッドフォンで聴いて、常用しているゼンハイザーの10万円以上するヘッドフォンHD800に通じる端正な美しさ、音楽の説得力があって驚嘆しました。
ダウンロード数はJBLが100万以上、Technicsに至っては1万以上のレベルで、いずれもネット上では知られていない存在と申し上げて良いでしょう。ところが、JBLはアメリカ西海岸サウンド全開の底抜けに明るい音を出して楽しいったらないし、Technicsは音を引き締めて音楽の訴求力をとても高めています。伝説になったJBLのスピーカ、テクニクスのスピーカのサウンドです。
この3種アプリとアマゾン・Pi等のプレーヤとの差は、根本的には音の密度の高低です。アマゾンで聞き流している状態から切り替えると、「これなら音楽を聴かなければ」と思わせるサウンドの濃厚さが現れます。アプリによるタブレット電池消費量が多く、アマゾン等と比べて音の処理にかなりマシンパワーを掛けていると考えられます。4年前のレノボのタブレットを使うと曲の立ち上がりがギクシャクし、Google Playストアの評価で使い勝手不満が並んでいたので、機器側の能力不足で普及しなかった可能性があります。
また、AKGのN25という1万円クラスのイヤフォンで試して、3種アプリによるサウンドの違いは確認できました。ただ、十分に楽しむなら高音、中音、低音とももっと厚い方が良く、今回使ったヘッドフォンと同等以上が望ましいでしょう。突出した音楽性のアプリに機器の進歩がようやく追い付いたと言えます。2016年に『ワイヤレスで騒音カットのヘッドフォンは絶品』(BM時評)で見えたモバイル音楽鑑賞の新たな波が今、大波になろうとしています。何せ、パソコンでは出来ない楽しみ方ですから。
3種アプリで音楽がどう違って聞こえるか、もう少し書きます。CapTuneはどんなジャンルでも過不足ない90点主義で、とにかく音楽を聴かせます。JBLはポップスを中心にハマれば満点どころか120点もありで、懐かしいエレキサウンドのベンチャーズとか眼前でドラムを叩いている感じ、ベースやバスドラの重低音は圧倒的です。Technicsは両者より引き締まった繊細感があるサウンド志向で、弦楽器の表情は抜きん出ています。冒頭から管楽器の咆哮があるチャイコフスキーの交響曲4番をJBLで聴くとブラバンの大元気大会になり、Technicsなら贅肉が削ぎ落ちてスラブの哀愁が漂い、CapTuneではこれぞ王道とフレーズごとに引き込まれていきます。
最後に使い勝手についてご注意です。普及しているアプリに慣れていると操作に難があり戸惑われるでしょう。特にJBLはアルバム内が曲名のアルファベット順でしか表示されないなど最悪です。このアプリならではとハマる曲が見つかれば、プレイリストに保存して置かれたら良いでしょう。
タブレットで音楽を聞くようになって6年、アマゾンで楽曲を買い、あとで聞く都合から深く考えずにアマゾンの音楽プレーヤを使ってきました。アマゾンアカウントが無い知人には操作が似ている「Pi音楽プレーヤ」を紹介していました。グーグルストアでのダウンロード数がアマゾンは1億以上、Piは1000万以上と人気です。最近、ネットで「CapTuneが良い」との情報を見つけ、ダウンロード数を見ると10万以上とマイナーもいいところ。しかし、その音をソニーのヘッドフォンで聴いて、常用しているゼンハイザーの10万円以上するヘッドフォンHD800に通じる端正な美しさ、音楽の説得力があって驚嘆しました。
ダウンロード数はJBLが100万以上、Technicsに至っては1万以上のレベルで、いずれもネット上では知られていない存在と申し上げて良いでしょう。ところが、JBLはアメリカ西海岸サウンド全開の底抜けに明るい音を出して楽しいったらないし、Technicsは音を引き締めて音楽の訴求力をとても高めています。伝説になったJBLのスピーカ、テクニクスのスピーカのサウンドです。
この3種アプリとアマゾン・Pi等のプレーヤとの差は、根本的には音の密度の高低です。アマゾンで聞き流している状態から切り替えると、「これなら音楽を聴かなければ」と思わせるサウンドの濃厚さが現れます。アプリによるタブレット電池消費量が多く、アマゾン等と比べて音の処理にかなりマシンパワーを掛けていると考えられます。4年前のレノボのタブレットを使うと曲の立ち上がりがギクシャクし、Google Playストアの評価で使い勝手不満が並んでいたので、機器側の能力不足で普及しなかった可能性があります。
また、AKGのN25という1万円クラスのイヤフォンで試して、3種アプリによるサウンドの違いは確認できました。ただ、十分に楽しむなら高音、中音、低音とももっと厚い方が良く、今回使ったヘッドフォンと同等以上が望ましいでしょう。突出した音楽性のアプリに機器の進歩がようやく追い付いたと言えます。2016年に『ワイヤレスで騒音カットのヘッドフォンは絶品』(BM時評)で見えたモバイル音楽鑑賞の新たな波が今、大波になろうとしています。何せ、パソコンでは出来ない楽しみ方ですから。
3種アプリで音楽がどう違って聞こえるか、もう少し書きます。CapTuneはどんなジャンルでも過不足ない90点主義で、とにかく音楽を聴かせます。JBLはポップスを中心にハマれば満点どころか120点もありで、懐かしいエレキサウンドのベンチャーズとか眼前でドラムを叩いている感じ、ベースやバスドラの重低音は圧倒的です。Technicsは両者より引き締まった繊細感があるサウンド志向で、弦楽器の表情は抜きん出ています。冒頭から管楽器の咆哮があるチャイコフスキーの交響曲4番をJBLで聴くとブラバンの大元気大会になり、Technicsなら贅肉が削ぎ落ちてスラブの哀愁が漂い、CapTuneではこれぞ王道とフレーズごとに引き込まれていきます。
最後に使い勝手についてご注意です。普及しているアプリに慣れていると操作に難があり戸惑われるでしょう。特にJBLはアルバム内が曲名のアルファベット順でしか表示されないなど最悪です。このアプリならではとハマる曲が見つかれば、プレイリストに保存して置かれたら良いでしょう。