第651回「ワクチン接種とインド変異株で若者中心感染」

 新型コロナ感染者の世代分布は20代と30代で半分、40代・50代で3割、高齢者は激減と東京の発生状況が伝えられています。4度目の緊急事態宣言が決まった東京と、過去最大の感染者で尻に火が付いた韓国も全く同じ状況です。一次接種が国民の3割、高齢者に限れば7割に達するワクチン接種事情も同様です。インド変異株(デルタ株)は従来型と違って味覚や嗅覚の異常があまり無く、感染の自覚が発熱からで遅れる傾向にあります。健康に自信がある若い世代はただでさえガードが甘いのに、感染に拍車がかかって当然です。人口544万人の兵庫県で5月、6月と7月の感染世代変化がグラフ化できたので掲げます。  5月16日、6月6日、7月1日からそれぞれ1週間の年代別感染者を集計して比率を出しています。兵庫県《新型コロナウイルスの検査・陽性者の状況》によります。感染者の絶対数は5月が圧倒的で7月の7倍を超えます。しかし、比率を見れば7月は東京や韓国と全く同じです。6月当時のワクチン接種は。一次接種が国民の1割、高齢者は3割でした。60代以上を見れば、ワクチンの予防効果が発揮される様が歴然です。7月には80-90代の感染は消滅しかけています。これまで死者の圧倒的多数は60代以上でしたから、この点は朗報です。

 40-50代が3カ月の間、3割弱を保っているのに20代と30代の飛躍は困りものです。20代は2割前後だったのが3割を超えています。大阪府は感染拡大の兆し見るため活動が活発な20-30代の感染者数で独自基準「見張り番指標」を設けており、8日に3回目の緊急事態宣言解除後初めて到達しました。直前1週間の平均で20-30代感染者数を見ており、3日の「42」が9日には「57」に達し、1週間で35%増加は急です。この間、大阪全体の1週間平均は20%しか増えていませんから、ステージ4が進行の東京に比べてまだ明確な感染増加立ち上がりを見せていない大阪の「前兆」であるかもしれません。

 過去最大1日1300人を超える感染者を出した韓国はやはり若者に流行しており、今後2000人から4000人にも膨らむ恐れがあると専門家から警告されています。来週12日から2週間は感染の中心である首都圏で「私的会合は午後6時までは4人まで、午後6時以降は3人以上の集まりが禁止」との厳しい措置が発表されました。ナイトライフの場は閉じられて事実上の夜間外出禁止、ロックダウンの様相です。

 6月の第650回「ワクチン接種予防効果、世界は三分裂模様」で伝えた世界の動向に変化が生じています。近くまとめ直してリリースします。