第662回「新型コロナ1週感染、米国を人口割で初逆転」

 2/13追補:遂にピークアウト
 欧米で新型コロナ・オミクロン株の勢いが衰えていく中、ちょうど流行ピークに達した日本が人口100万人あたり1週間の新規感染で米国を上回る珍しい事態が発生しました。昨年初めからの流行で常に桁違いの患者発生差があった日米間が逆転しました。米ジョンズホプキンス大学の集計による、ourworldindata.orgのグラフを掲げます。  人口100万人あたり1週間の感染が5000例前後のところで日米が交差したと読み取れます。ウオールストリートジャーナルの8日付《米でコロナ感染が急減、オミクロンに鈍化の兆し》は《感染者数は急減し、6日までの7日間の1日当たり新規感染者数は今年初めて30万人を下回った。1週間前は7日平均が50万人を超えていた》《コロナ感染が確認された、または疑われる入院者数の7日平均は6日に12万人を下回り、1月6日以来の低水準となった。1月20日には15万9000人超でピークをつけていた》と伝えています。

 日本では毎日10万例に迫る新規感染が続き、NHKの《「まん延防止」13都県延長へ 高知も適用 来月6日まで 首相表明》で《岸田総理大臣は記者団に対し「オミクロン株とのたたかいは今まさに正念場を迎えている」と述べました》とあるのですが、東京と大阪の二大都市で流行拡大が足踏み状態になっています。以下にある諸国の傾向から推測して、今後は減少へ転じると期待されています。  1月22日付の第660回「BCG日本株接種国でオミクロン激増頭打ち」で指摘した、日本のようにコロナ沈静化していた諸国のその後の動向をグラフにしました。ほとんどが1カ月ほどで下火になっています。インドネシアが日本以上に伸びていますが、例外的です。実は日米逆転の場面にちょうど韓国が出くわせています。下がり続ける米国、ピークアウト直前の日本に対し、韓国はオミクロン流行がこれからなので急カーブで上昇になっています。日本の場合、第661回「オミクロンの脅威、沖縄に続く頭打ち県は」で見たように大きな人口密度がオミクロン流行を助けています。

 【2/13追補】オミクロン株の大流行が東京と大阪で遂にピークアウトしました。先駆けになった沖縄と違って人口密度が高く、人口も桁違いに大きいのでオミクロンの感染力の強さに手を焼きました。人口10万人あたりの直近7日の新規感染グラフを掲げます。沖縄の感染減少が激しかった立ち上がり時よりゆっくりしている点が気になります。東京と大阪も収束までにある程度、時間が掛かると考えるべきでしょう。