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第340回「中国大気汚染の防止策は大幅経済縮小しかない」 (2013/02/03)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 中国では春節(旧正月)の帰省ラッシュが始まったのに大気汚染、重篤スモッグは収まりません。全土がクリーンになる予測は連休になる春節直前の9日で、大幅な経済縮小しか抜本的な防止策はないと示唆しています。これまで言われてきたGDP8%成長など寝言、戯言類の話になりました。実際問題として中国当局が打ち出した対策は古い自動車18万台廃棄や緊急時の工場操業・車両運行停止などで見るべきものはなく、微粒子汚染の大きな排出源であるディーゼル燃料の環境基準強化に至っては2年後完全実施なのですから、失笑を買っています。


 米国が出している「PM2.5 リアルタイムの大気汚染指数」から北京の分(3日午後6時現在)を引用しました。過去2日分の記録で、風があった青天の日が去るとたちまち微粒子PM2.5汚染レベルが上がっていきます。指数は「277」で「ひどく汚染」です。硫黄酸化物や窒素酸化物、一酸化炭素のレベルも同調していますから、焼けるような異様な臭いがする訳です。


 この午後6時時点での九州大の汚染予測分布図を引用しました。南の内陸部から北上した濃厚な汚染大気が北京付近に掛かっているところです。一部で春節休暇が始まって工場生産規模が縮小されても、蓄積されている汚染物質は膨大でどうにもならない状況です。


 これは9日正午時点の予測です。10日からの春節直前になれば工場は止まりますから、さすがに汚染レベルは中国全土で下がります。ここまでの「荒療治」をしなければ重篤スモッグは退治できないと示しています。

 13億人の人口を抱え、新規の雇用を創出し続けなければならない国情と完全に矛盾します。新車の排ガス規制を欧米並にしたところでスモッグは全く改善されません。既存の工場・発電所・自動車に手をつける難事業を、各分野ごとの利権代表集合体になってしまった共産党政府が出来るのかです。ハイペースの経済成長を続けつつ対策実施は不可能と、《世界一になる夢を潰えさせたか中国の重篤スモッグ》を書いたのですが、無理な成長で大気汚染が解消できなくても、汚染改善のために経済を縮小したとしても、どちらも暴動頻発ものの不安定な社会にならざるを得ません。

 【参照】「インターネットで読み解く!」
     第336回「中国で突出の微小粒子汚染は環境汚染無視のツケ」
     第337回「中国の重篤スモッグは経済成長に大ブレーキ」
     第338回「中国の最悪大気汚染は韓国や日本へ飛来する」
     『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない
     第343回「中国大気汚染の絶望的な排出源構成と規制遅れ」(2/11)

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