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第384回「結婚も離婚後も危うい非正規雇用の給与格差」 (2013/09/28)

(「BM時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 国税庁の民間給与実態統計調査が初めて正規雇用と非正規雇用を区別して公表されました。非正規雇用男性の平均年収は225万円で結婚の壁とされる300万円を大きく下回り、非婚化傾向に拍車をかけているのは明白。非正規の女性平均年収143万円も大きな問題をはらんでいます。結婚した3組に1組は離婚する状況が定着している中で、シングルマザーとして子供と生活できないレベルだからです。正規雇用へ戻すことが難しいならば、同一労働同一賃金の原則に従って非正規雇用収入の底上げを目指すべきです。無原則な雇用流動化は進めるべきではありません。

 国税庁の「平成24年分民間給与実態統計調査結果」は、給与所得者でも民間企業に勤める人を対象にし、日雇いで給与を受け取る労働者は除外しています。役員を除く正規従業員の平均年収は467万円(男性520万円、女性349万円)。非正規では168万円(男性225万円、女性143万円)でした。それぞれの所得者数は正規が男性2080万人、女性931万人、非正規が男性293万人、女性694万人です。


 年収300万円の壁を焦点にした『結婚離れは非正規雇用増の結論避ける厚生労働白書』に対応する男性年収データをグラフにしました。厚生労働白書は300万円で区切って、それ以下の男性の既婚率は10%を下回っているとしました。しかし、今回調査が示す非正規平均225万円は300万円を大きく割り込んでいます。非正規雇用の割合は過去10年間で全体の30%が36%に拡大しました。リーマン・ショック以降の平均給与全体の落ち込みに非正規化が寄与しているはずです。これでは結婚・子育ては難しいでしょう。規模もここにある293万人にとどまらず、日給制の労働者まで含めた幅広い問題です。

 第339回「夫婦3組に1組は離婚時代定着。米国は2に1」で2000年以降、国内の婚姻と離婚の件数比が35%前後に定着していると分析しました。米国の50%までにはなりませんが、離婚によるシングルマザーの発生は大きな問題になっていきます。離婚した男性側が養育費をきちんと払わない傾向が強いこともあり、女性が自立出来る環境を整備しなければなりません。非正規女性694万人には若い層も含まれますが、結婚後に離婚した場合、正規職に就くのはますます難しいでしょう。

 【参照】「インターネットで読み解く!」「人口・歴史」

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