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汚染水流出で明らかになった東電1カ月放置の怠慢 [BM時評] (2013/10/22)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 大雨で高レベルの汚染水まで溢れ出す事態になりました。発表の放射能測定レベルから騒ぎが大きくなった1カ月間、東電がタンクからの漏出対策に何ら有効な手を打っていない、放置していた怠慢が浮かび上がりました。想定外の大雨との弁解はあり得るとしても、最初に問題になったH4エリアのタンク以外にも大小の漏れがあると分かりながら漫然と時を過ごし、大雨になったらギブアップでは話になりません。9月16日付「福島第一原子力発電所各タンクエリア堰内溜まり水の全ベータ放射能分析結果(簡易測定)について」にある主なタンクエリア測定マップに、10月20日に測定されたストロンチウム90のデータを書き込んだので御覧ください。


 大雨の中で測定されたので薄まっていますが、1カ月前と各エリアの濃度対比は同じ傾向です。この間には台風26号による大雨を経ており、そこでかなり洗い流されているはずです。各エリアのタンクで漏出元の検査をして対策が取られていれば、もっとクリーンになっているべきです。漏出タンクの分解検査をしたH4エリアでも1リットル当たり12000ベクレルの高汚染ですから、いったい1カ月、何をしていたのか、外部から見て不可解としか言いようがありません。タンクエリアの地盤は透水性のコンクリートですから放射性物質はいくらでも地下にしみ込みます。

 東電には事態をドライブしていく気力すら無いように見受けられます。第379回「原発後背地のタンク漏洩続出で収拾計画に困難」で指摘しているように、タンク群がある場所は炉心溶融した原子炉の後背地で、ここまで放射能汚染を拡大させると福島原発事故の収拾計画全体が崩壊してしまいます。原子炉4基周辺だけに汚染を限定し、最終的に地下遮水壁で囲んで周囲と完全に分離してしまう必要があるのです。後背地まで放射能汚染拡大では環境への放射能流出が断ち切れません。

 第380回「五輪国際公約した以上、汚染水の安全な移転を」での提言を繰り返すしか無いようです。杜撰で今後も欠陥露見が予想されるにわか作りの現在のタンクは放棄して、正規の新設タンクに全ての汚染水を移転すべきです。途轍もない困難が予想される廃炉に向けてエネルギーを注ぐべき時に、余分なエピソードに過ぎない汚染水問題を危機にしてはいけません。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー

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