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第389回「減反廃止に躊躇不要、選挙が心配無い安倍政権」 (2013/10/27)

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(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 減反廃止をめぐり数日来、踏み込んだり揺れ戻したりの報道が続いています。衆参両院で圧倒的な多数を持ち、久しぶりに選挙の心配が無い安倍政権が出来たのに積年の農業政策課題に踏み込めなくては価値がありません。相変わらずマスメディアからは数が多い中小農家の不満の声が表面に出ていますが、本筋は日本の稲作を本当に支えているコメ専業農家をどうして維持・持続させるかにあります。その意味で減反廃止だけでなく農地の集約と大規模化、農家補助の手法を含めたパッケージを早く示さねばなりません。農業を諦めてもらう可能性が高い兼業農家へのケアも含めて、決着を長引かせる方が罪が重いはずです。

 25日の林農相「減反見直し、補助金は大規模農家重点」表明から、26日の「減反、5年後廃止案 政府・与党で浮上 慎重論も」と積極的ながらぶれている日経新聞に対して、読売新聞は「減反、10年内の廃止検討…支援は大農家中心に」と深刻な調整難航を予測します。


 NHK世論調査による政党支持率の推移を掲げました。10月段階では自公政権党の40%に対して5%の民主党、4%の共産党がある程度です。これは3年後、2016年の参院選すら心配する必要が薄い状況を示しています。自民の伝統的基盤だった農協系の得票を心配する必要が無くなったのです。TPPでの選挙公約無視といい、この政治状況無しには無理でした。

 2007年の『専業農家の救出を急がねば稲作は崩壊』で、かつての豊作貧乏から進んで、経営持続困難が迫る専業農家問題を指摘しました。この時点で抜本的な対策が取られるべきだったのですが、政権交代した民主党は農家の票を目当てに小規模零細農家まで救う戸別所得補償制度を導入しました。結果的には第219回「戸別所得補償が米専業農家救出に効き始めた」で紹介したように、コメ価格が下がっていく中で専業農家の切迫感に一息つかせつつ、小規模零細農家には超緩慢な「死」をもたらしました。

 野党として民主党政策を厳しく批判した自民が政権を取った以上、かつて出来なかった政策転換をするのが当然です。TPPでコメの関税が維持できるかもしれないとか躊躇している場合ではありません。今、果断にやらなければもう機会は来ません。

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