西日本各地でPM2.5による重汚染の異常事態 [BM時評]

 中国発の微粒子物質PM2.5が2日午後、大気1立方メートル当たり200マイクログラム前後と西日本各地で戸外活動中止すべしの「重汚染」状態を起こしています。国内の環境基準「35」超過地点も200カ所を超えています。環境省などのデータを使っている「PM2.5まとめ」から福岡・柳川の過去24時間推移グラフを引用します。午後6時現在の環境基準超過は全国1037地点の中で関東・東北まで235カ所です。  最も長い時間、異常なPM2.5値が継続しているのは柳川市大字今古賀の測定ポイントです。午後1時に「197」を記録、100マイクログラム超えを維持したまま午後6時に「191」となっています。午後5時に岡山・早島で「231」を記録、富山・高岡でも「117」です。「300」前後の重篤スモッグが常態化している北京ほどではないものの、「200」に迫る状態が長く持続は国内では非常に珍しい事態です。環境省は2月に、早朝に85マイクログラムを超える日は健康に影響する1日平均で70マイクログラムを超える恐れとの暫定指針をまとめましたが、今回はこの想定をはるかに超えています。第388回「PM2.5発がん性認定、お座なりの日中政府に痛撃」で指摘したように甘く見てはなりません。

 【参照】第343回「中国大気汚染の絶望的な排出源構成と規制遅れ」
    「『中国は終わった』とメディアはなぜ言わない」
    第346回「『がん村』放置は必然、圧殺する中国の環境司法」