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第438回「小保方論文でネット公衆から逃げた早大調査委」 (2014/07/20)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 STAP細胞問題から派生した小保方博士論文のコピペ疑惑で早大調査委は「学位取消に該当しない」と結論を出しました。外部に見えない密室で処理してしまう手法は、告発者のネット公衆を恐れているとしか見えません。公開されている博士論文は草稿段階論文を誤って製本と認定、本物は別とし、騒がれた画像やデータ、論文リストの盗用は無かったか、学位授与へ影響するほど大きな問題ではないと身内をかばう論理展開です。

 博士論文は従来ならば一般の人が入手することは難しかったのですが、2012年5月から国会図書館が大量に収集して一般公開を始めました。相当数はネット上にも公開しています。小保方論文「三胚葉由来組織に共通した万能性体性幹細胞の探索」はネット公開には至っていないものの、国会図書館まで足を運べば誰でも見られます。この基盤があったからネット公衆からの疑惑告発が可能になりました。

 早大調査委はまず、この公開版博士論文は本物ではないと認定してしまいます。今年5月に小保方氏から提出を受けた「本物」論文は「小保方氏が最終的な博士論文として真に提出しようとしていた博士論文と全く同一であるとの認定をするには、証拠が足りない」としつつも、こちらを対象に検討していきます。告発されている公開論文から、密室にある「本物」論文に対象が移された段階で第三者の検証可能性は無くなりました。

 学位取り消しにならない論理展開を《早稲田はコピペしても「博士号」が取れる?小保方さんが「学位取消」にあたらない理由》から抽出してみます。

 「心情的にはおかしいと思っても学位は取り消すことができない」「不正の方法があったとしても、その『不正の方法』によって『学位の授与』を受けたという要件を満たさなければいけない。つまり、『不正の方法』と『学位の授与』との間に因果関係が必要になる」「学位の授与に一定程度の影響を与えたという事実はあるけれど、重要な影響を与えるとまではいかない、科学の論文なので、実験結果の部分で盗用がない以上、重要な影響とまでは言えない」

 実験など論文の核心でない部分にコピー&ペーストがあったとしても、最初から無視できる理屈になっています。大量公開の博士論文でネット公衆にコピペを発見されるのは避けられないから門前払いできる仕掛けが必要――と考えたと推察します。

 【参照】第432回「STAP細胞疑惑=小保方ファンタジーの闇を推理する」
     第431回「STAP細胞が『世界3大研究不正』とされた衝撃」

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