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第462回「PCオーディオ生活を困惑させる日本市場障壁」 (2015/01/30)

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(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 ソニーが定額制音楽配信サービス「Music Unlimited」の3月終了を発表しました。PCオーディオ生活の多くを依存していた私に困惑の事態です。代替のサービスが日本だけは準備出来ていないからです。「KKBOX」や「レコチョクBest」といった聴き放題サービスも出来たものの、多種多様な音楽を聞くには2500万曲以上を備えるソニーのサービスが圧倒的に便利でした。ソニーは音楽配信分野で世界を席巻しつつある「Spotify」と提携して、41カ国で立ち上げる新音楽サービス「PlayStation Music」に移行するのですが、日本音楽市場の障壁がSpotify上陸を許しそうにない感じです。

 スウェーデン発のSpotifyがいよいよ日本に来るとの噂は再三流れていました。実現しない原因は、CD販売がいまだに音楽売上の主柱になっている日本市場の特殊さにあります。音楽配信の拡大がCD売上に影響するのを国内の音楽メーカーは恐れているために有料配信は認めても、無料配信の部分があるSpotifyには拒絶反応が出るのです。タダで音楽が聞けるならCDまでは買わなくなるだろうとの心配です。

 この2年間、月額980円での定額制音楽配信を利用していて、手元にCDを持っていないジャンルにも愛聴できる曲をたくさん発見しました。アルバム全体を仮想のライブラリーに加えたり、マイプレイリストとして曲名を保存しています。ところが、ソニーのサービス終了で一切が消えてしまうことになります。ネットの音楽配信はパソコン上でのコピーをさせないシステムです。これからはネット配信で9割方は間に合うと思っていたのに、是非残したい曲はCDを探さねばならないはめになりました。探しても見つからない可能性も高いでしょう。

 2013年春の『定額音楽配信サービスで音楽産業は持ち直すか』でようやく国内も本格的な配信サービスが出来たと歓迎したのに、今回の「背信」は痛いと申し上げます。世界的にはCDは売れなくなっており、新譜の発売も減っています。再発売アルバムが大きな商売になる日本は極めて特殊な市場です。ネット配信をきちんと育てていかねばならない時期に、消費者に痛手を与える事態は残念です。国内の音楽業界も遅かれ早かれネット配信が主軸になる時代が来ると覚悟して、協調するべきではなかったでしょうか。ソニーは日本市場についても準備でき次第アナウンスするとは言っていますが。

 【参照】第460回「ハイレゾ普及が日本人のオーディオ魂に再点火」で最近のPCオーディオ事情に触れています。

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