第613回「韓国は脳内妄想:参院選が終われば日本は引く」

 対韓素材輸出規制が公表されて3日、韓国大統領府が沈黙しています。参院選が終われば日本は引き下がると勝手に脳内妄想していると東亜日報が伝えました。何もしないでいれば工場が止まる実害発生に至りかねません。実際のところ、文在寅(ムン・ジェイン)政権の無謀な反日政策連発で穏便な日韓融和策が無くなっています。前政権と日本が結んだ慰安婦合意をムン政権が「積弊清算筆頭だ」として認めず、慰安婦のために日本政府が10億円拠出した基金を無理やり解散した直後なのですから、韓国が提案したいわゆる徴用工問題解決基金案は受け入れられる基盤を喪失しています。もし韓国側が全面降伏したら国民からどう罵倒されるか承知しているのに、日本政府が輸出規制を撤回したら内閣が潰れかねない事情に思い至らないとは自分勝手な妄想もいいところです。

 東亜日報の3日付《大統領府「すぐに対抗すれば本物の貿易紛争になる」》(韓国語)は韓国政府が収拾策を作るべく各部署で動いているが、「政府が大きな枠組みの対応、原則を確立しないままでは実効性が無い後の祭り措置」と問題提起しています。これに対して、大統領府がどう言ったかが以下です。

 《大統領府の関係者は3日、「日本が輸出規制を公式発表した先月30日イ・ジェヨン三星電子副会長、チョン・ウィソン現代車グループ副など5大グループ副会長に連絡し、日本が問題視する素材の輸入比率と予想被害規模、輸入先の代替可能かどうか、対応策などを教えてもらった」と話した。昨年末から日本の輸出規制を予想した上、5大グループと共同対処することにしだけに、政府が手をこまねいていたとの指摘は事実と違うと抗弁した。それとともに、日本の参議院選挙が実施される21日まで積極的に対応に出ないことを示唆した。青瓦台の関係者は、「私たちがすぐに対抗すれば本物の貿易紛争になる」とし「韓国のメモリ半導体の世界市場シェアが高いから、Apple、Googleなどにも打撃が予想されて参議院選挙が終われば、日本も退くだろう」と述べた》

 それにしても朝鮮日報が伝える2日付《日本の報復措置も「閣議で韓日関連議論は全くなかった」》(韓国語)という放置は異常に過ぎます。

 《「韓国政府の対応策があるのか」という質問には、「一言一言がとても慎重になる。国家間の問題として寄り添う」とし「前日、産業資源部長官が発表したように、今後輸入先の多様化、国内生産設備の拡充、国産化開発、このような方策になるんじゃないか」と述べた》

 事前に「日本が報復措置を取れば黙っていない」と強硬発言していた外交部長官は日本大使を呼んで抗議したのが唯一のアクションであり、「今後のことは研究する」ととぼけた釈明をしています。超「ぬるい」大統領府と合わせて何の対策も準備していなかったと吐露しています。

 韓国聯合ニュースは大韓商工会議所の朴容晩(パク・ヨンマン)会頭が3日、政府と政界に苦言を呈したと報じました。

 《「日本は緻密に省庁間の共同作業までしながら選択した作戦で報復してきたが、われわれは互いに非難するのに忙しい」と指摘した。また、「中国と米国は保護貿易主義に傾き、製造業製品の輸出がますます厳しくなっているが、われわれは余裕もないのに問題が一つずつ発生するたびに対策を立てる」と批判した》

 日本側は安倍首相が前面に出る動きもあり、安全保障を理由にした戦略物質輸出規制強化の後には友好国としての貿易優遇リストからの韓国除外、さらにビザの規制強化などが続くと見られています。

 2014年の旅客船セウォル号沈没事故の後で『奇怪な韓国の闇、民衆は達観する「愚政府・愚役人」』を書きました。セウォル号事故の後始末に見る捜査のズサンを書いていますし、そもそも沈没前に現場到着した海洋警察艇が機敏に動いていれば全員助かった可能性大なのですから韓国政府によって国民がどれほど迷惑を被っていることでしょう。にもかかわらず「たとえ自分の国が間違っている場合でも、国民は自分の国を支持すべき」と考える国民性の国です。ムン政権はまだまだ安泰のようで、本当に日韓関係を破壊してしまいそうです。

 こうなった原因の一つに韓国メディアが煽った問題があると指摘した第610回「反日迎合姿勢の韓国メディアに韓国読者が異議」もお読みください。