第638回「BCGは対コロナ抑制大、日本株は最強の守護神」

 新型コロナウイルスの感染は多くの国でまだ進行中ながら、当初からささやかれたBCG接種の有無による抵抗力を見極めるデータはそろってきました。無接種や他株接種の諸国に比べ日本株接種国の死者は断然少数です。日本人にはBCG全員接種は当たり前ですが、米国やイタリア、カナダは医療など結核ハイリスク職業従事者に接種するだけであり、英仏独はかなり前に全員接種を中止しました。欧州や中南米では接種しても新しいデンマーク株などが中心で、日本株やロシア株といった生菌数が多い昔タイプ株に比べて弱い株でした。新型コロナ感染者と死者数を人口百万人当たりで整理すると「BCG無接種」「弱株BCG過去接種」「弱株BCG継続接種」「ロシア株関連」「日本株接種」の5グループに分かれます。そして、日本株接種国は感染者も目立って少なく対新型コロナ守護神ぶり歴然です。( 以下のテーブルのEnglish edition )  5グループを並べると人口百万人当たり死者が日本株接種国で1〜39人しかありません。ロシア株グループはロシアとトルコが50人台でこれに次ぎ、旧東独がロシア株接種だったドイツの106人が目立つものの、他の諸国は英国の628人を最高に桁違いの多さです。感染者も、社会の底辺を支える外国人労働者に多発している特殊事情のサウジアラビアを除けば、1000例以下でありペルー7911例などと大差が出来ています。なお、国別患者数データはロイターによるまとめを採用しています。

 5月に書いた第637回「対コロナ・ミラクル日本の立役者はBCG日本株」ではデンマーク株の印象が薄かったのですが、弱株BCG継続接種グループとしてまとめると接種を止めてしまった英国やスペイン、フランスと比べ死者が半分以下です。スペインとポルトガルの隣国同士では死者4倍の差です。弱株BCG継続接種のイランと日本株接種のイラク、こちらも隣国で死者4倍の差です。医療体制が劇的に違うはずもなく気候も似通った隣国で大きな差を生んでいるのは主にBCG接種と株の差と考えるべきでしょう。

 なお、BCG無接種のカナダが感染者、死者共に少なめです。隣国の米国に比べて人口密度が低い点が大きいかとは思われます。カナダは2012年から日本株を医療従事者など一部に接種しており、その接種規模は不明ながら影響している可能性はあります。

 この1カ月で世界の感染者は倍増、死者は5割増しの勢いです。日本株接種8カ国は1カ月前には百万人当たり死者が一桁でしたが、感染者が数倍になった国も多くて死者も増えました。それでも1〜39人に踏みとどまっているのは驚異的です。感染者をあまり増やさなかった日本やマレーシア、タイは市民社会の自制が効いた上にBCG日本株の恩恵を保って死者一桁です。

 東京新聞が4月末に「新型コロナウイルスの感染拡大が続くフィリピンで、感染者に占める医療従事者の割合が約15%と高い数値を示している。一億人を超える人口を抱えながら、先進国と比べて施設や装備が脆弱(ぜいじゃく)なのに加え、来院者が病状を正確に申告しないことなどが要因」と伝えました。こうした公衆衛生上の患者マナーで問題ありすぎのフィリピンでも百万人当たり死者11人に止まっています。

 5/20付の第637回「対コロナ・ミラクル日本の立役者はBCG日本株」と比べられるように、「新型コロナ感染上位20とBCG日本株接種国(6/24現在)」の一覧表を作成し、以下に掲げます。「一部日本株」と注記した南アフリカは2000年に日本株からデンマーク株に切り替えた全員接種国で、死者の少なさ「35人」は注目です。