第417回「PCオーディオのワサピ化とタブレットで良い音」

 流行のハイレゾよりもまずWASAPI化ですと2月に推奨して多くの方に読まれました。もう一歩進めて、全面ワサピ化してみた試みと、安いタブレットとヘッドホンで音楽を楽しめる組み合わせが出来たので紹介します。先日の『パソコンで音楽ならハイレゾよりまずワサピを』では、幅広く使えるAVプレーヤソフト「MPC-HC」を、音質へ悪影響が大きいウインドウズOSの音声ミキサーから切り離すことが出来る「WASAPI排他モード」にする話でした。これでようやくCD並みの音質がパソコンで実現します。

 パソコンにはこの他にもいろいろなオーディオソフトがあります。多くの場合に再生デフォルトになっている「ウインドウズ・メディア・プレーヤ」、ブルーレイ用の再生ソフト、それに我が家では使用頻度が高い録画テレビ番組をブルーレイ・レコーダや家庭内サーバーからLANで鑑賞するソフトです。メインにしているデスクトップPCではブルーレイには「CyberLink PowerDVD」、テレビ番組には「DiXiM Digital TV」を使っています。一部機能は「MPC-HC」で代替できるのですが、全面ワサピ化した方がずっと便利です。

 参考になるウェブは《フリーソフトを使ってビットパーフェクト再生する方法》です。「方法は少しトリッキーで、ASIO Windows Media Player Plugin と ReClock という二つのフリーソフトウェアの機能を組み合わせて実現します」

 説明されている手順を追っていただけば難しくはありません。デスクトップPCはこの方法で全面ワサピ化しました。しかし、東芝製のノートPCではウインドウズ・メディア・プレーヤがWASAPIでうまく再生できませんし、ブルーレイ再生の「WIN DVD」では無視されてしまいます。機種によって相性の問題があることだけはご承知おきください。ともあれテレビの音楽番組はどちらのPCでも断然良いクオリティになりました。

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 第396回「2014年はタブレット主流、パソコン文化変貌も並行」に写真を載せている10インチのタブレットが壊れてしまいました。音質が良いのが気に入ってベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールなども楽しんでいた機種です。タブレットの最多用途は電子書籍を読むことですが、外出時やキッチンなどの音楽プレーヤとして良い音にこだわっています。  店頭で試した結果、レノボの8インチ「YOGA TABLET」に決めました。上の写真で比較のため16インチの東芝ノートPCに乗せてあります。タブレットなのに自分で立つ点がユニークで、重さが10インチの6割だから片手で持てるのが便利。買値21420円、3月中に買えば4000円のキャッシュバックがあります。最近、外出時によく使うAKGの密閉型ヘッドホンK404(写真右。アマゾンで3500円弱)と良い相性なのも気に入りました。音質イコライザーがダイナミックに変動するタイプで音楽を生き生きとさせる効果があります。もっと高額のフラット特性ヘッドホンで聞くと高音に強調がありますが、やや高域不足のK404を補完してくれます。

 ソニーの定額音楽配信サービス「Music Unlimited」からかなり大量の音楽をタブレットにダウンロードして聞きました。1960年代の洋楽ヒット集もあればカラヤン・ベスト100などクラシック、最新録音のポップスもです。「HE-AACの48kbps」という圧縮形式の優秀さを再認識しました。MP3など比ではありません。前のタブレットではCDから無圧縮コピーの音楽中心でしたが、記録容量を小さくしてもそう負けていません。外出時はイヤフォン・タイプの縮こまった音場で過ごしてきたので、街角で聴いて時に豪快に響く開放的な感じがとても新鮮です。

 【参照】『定額音楽配信サービスで音楽産業は持ち直すか』