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原子力規制委は安倍政権の圧力に屈しつつある [BM時評] (2014/05/27)

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(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 福島原発事故の反省から独立組織になった原子力規制委が政府・東電の圧力にさらされています。原発建屋を取り巻く「凍土遮水壁」に否定的だったのに一転して認めたり、厳しい地震対策を求めた島崎委員が退任です。原子力規制庁職員は原子力推進の出身省庁には戻らない「ノーリターン」を原則にしたはずが、発足から1年半の4月1日までに職員132人が出身の経済産業省や文部科学省などに戻っており、既に原則は形骸化しています。出来たばかりの規制組織が早くも疑念を持たれる有り様です。

 凍土遮水壁については第423回「行き詰まる福島事故原発建屋の遮水壁での隔離」でまとめた通り、4月の検討会は大荒れであり、日本陸水学会からも強い異論が出されていました。

 ところが、《凍土壁、来月着工へ=規制委で異論出ず−福島第1》はこう報じました。《原子力規制委員会は26日、外部の専門家らによる検討会を開き、安全性を議論した。専門家から大きな異論は出ず、予定通り6月中に着工される見通しとなった》《専門家からは「全体的には合理的と考える」と東電の説明を評価する意見も出て、座長役の更田豊志委員は「東電に一部(工事に)着手する考えがあれば、妨げるものではない」と述べた》

 朝日新聞によると「地下に配管などの埋設物がある場所については、まだ着工を認めない。建屋内の汚染水が地中に流出する危険性は、今後も検討を続ける」と一応の制限付きです。しかし、遮水壁が出来て地下水が遮断されれば原発建屋地下にある非常に高レベルの放射能汚染水が建屋周辺地下に溢れ出すのは避けられません。電気で維持される凍土遮水壁に停電でもあれば遮水機能を失い、大惨事になります。

 島崎委員退任は《規制委員に元原子力学会長ら 「審査厳格」の1人退任》でこう伝えられました。《安倍内閣は27日、原子力規制委員に田中知(さとる)・東京大教授(64)=原子力工学=と石渡(いしわたり)明・東北大教授(61)=地質学=を任命する国会同意人事案を衆参の議院運営委員会理事会に示した。田中氏は日本原子力学会の会長を過去に務め、原発は必要との立場。一方、審査が厳格だとして再稼働を求める議員らから交代を求める声が出ていた地震学者の島崎邦彦委員長代理(68)は退任する》

 原子力推進の安倍政権から圧力が掛かっているのは明白です。

 【参照】インターネットで読み解く!「福島原発事故」関連エントリー
     「《美味しんぼ》騒ぎの本質は福島県への不信任」
     第424回「福島原発廃炉は実現不能まで含めた見直しが必要」

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