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第344回「急速に縮む国際結婚の謎判明:経済成長率に依存」 (2013/02/16)

(「Blog vs. Media 時評」に同文掲載。コメントなどはそちらに)

 グローバル化で年間4万5千組近くに達していた日本人の国際結婚が、2011年には2万5千組台にまで落ち込みました。実は、フィリピンなどからの興行ビザ規制の要因を除けば、経済成長率に依存していると判明しました。そして、この流れはインターネット普及による国際的な婚活、婚姻相手探し方の自由化から発していました。国際結婚がどうして急速に縮小しているのか謎が解けたのですから、マイナス基調の経済成長率が反転する時が訪れれば急回復する可能性があると考えられます。人口動態調査の統計表などから過去20年間をグラフ化したので、ご覧下さい。


 夫婦どちらかが日本人の国際結婚数は2011年には1990年代始めレベルまで下がっています。その1990年代に何があったのか――このグラフで一番の注目は、消費税増税のあおりでマイナス成長に落ち込んだ1998年からの動きです。実質経済成長率の動きを1年遅れて国際結婚数が追いかけていくのが明瞭です。2005年のやや停滞にもかかわらず結婚数が伸びたのは、このころフィリピン、中国、ロシア、インドネシアから年間13万人前後の若い女性が興行ビザで入国、各地の夜の街で男女の接触が増えたからです。アメリカ国務省の人身売買報告書(2004年)で非難されてからビザ厳格化が進んだ様は、フィリピン人との国際結婚が激減していくグラフ下部で歴然としています。

 タレントではない女性を排除する興行ビザ規制の影響が去っても下がり続ける国際結婚数です。最初の傾向に戻って実質経済成長率の動きと連動しているのです。リーマンショック後の2010年には、あまりに大きかった落ち込みの反動で数字だけはプラスに戻しましたが、庶民の懐感覚はマイナスに振れたままです。このグラフで見ると、実数が大きい中国人との国際結婚数の推移が、1年遅れで経済成長率の動きをよく追いかけているのが読みとれます。2001、2002年の経済停滞がきれいに反映されています。

 アジア諸国からの花嫁は1980年代から話題になりました。当時は嫁不足に泣く地方、過疎地の男性に様々なコネで結婚相手が紹介がされました。しかし、1998年からの動きは違います。1998年はインターネット普及率が11%、2001年には60%にも達するのです。都市の男性もネット上に積み上がっている情報を自由に集めて国際結婚戦略を立てられるようになりました。もちろん、企業の海外進出などで生身の人間同士の接触機会も膨らみました。留学などで来日する外国人も増えました。

 インターネットが実質的に立ち上がり、「goo」と「infoseek」でインターネット検索が利用できるようになった1997年に私のコラム連載は始まりました。その「インターネットで読み解く!」第1回「空前の生涯独身時代」で《結婚したくてできない男性に、国際結婚の動きがある。「夫婦の国籍別にみた婚姻件数の年次推移」という法務省データよると、10年ほど前から国際結婚の数が増え始め、20年前の4倍以上、年間27,000件にも達した》と触れています。その後で起きたストーリーを、この記事で分析したことになります。

 【参照】インターネットで読み解く! 人口・歴史分野
     過熱とも見える東アジアの国際結婚(2006)
     第152回「20代男性の3人に1人は生涯未婚の恐れ」(2006)
     第213回「中国との国際結婚は嫁日照りから次の段階へ」(2010)
     第233回「30代の『家離れせず・出来ず』は相当に深刻」(2010)
     第276回「アジア工業国の非婚化は日本以上に進んでいる」(2011)

 2/22 WEBRONZAに「東アジアの国際結婚ブームは去ってしまうのか」

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